表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

103/221

第百話 上杉輝政の開湯伝説

ようやく百話目です! 初投稿でここまで書くことができたのは皆様のお陰でございます! これからもまだまだ続きますので、黒の章共々よろしくお願いいたします! 

 

 商人の団体さんと別れ、魚津城下に無事着いた。魚津城に来るのは手取川の後以来だ。しかし今回、城に行くつもりはない。なんてったってお忍びですから。


 ここで小休止し、俺達は今後の予定について詳しく話し合う。


「今後についてだが、神保の治める富山城だけでなく、折角の機会だから新治神社に参拝しようと思っているのだが、どうだ?」


「新治神社?」


「あぁ。室町幕府十代将軍義植公が崇敬し、行基菩薩様や彼の後醍醐天皇の皇子、宗良親王も参拝に訪れたという神社でな。私も以前訪れたことがあってな···まだ景亮と出会う前。景虎と名乗っていた頃のことだ」


 俺は絶の顔をちらりと見る。向こうもそれに気づいて頷く。決まりだな。


「了解。それじゃあそこ目標に行こうか」


「ありがとう。そういえば、新治神社は霊験が著しいと有名でな。私の時も御利益があったのだ」


「御利益ね···例えば?」


 二人で面白い御利益について考えていると、絶が思い付いたのか突拍子もないことを口にする。


「そうですね···温泉が湧き出てきたとかですか?」


 ···いやいやまさか。それは日夜修行に励む僧とかの逸話でしか有り得ないって。上杉謙信って開湯伝説ってあったのかな? 確か縁のある秘湯は多かったみたいな話は聞いたけど。


「ふふっ、答えはまた着いたときに話そう···では富山城下へ向かおうか。今立てば陽が沈む前には着くことだろう」


 その言葉通り陽も暮れだした頃、富山城下に到着した。そしてそこで一泊。翌日の昼に新治神社へと向かった。


 新治神社は緑豊かないかにも田舎というような場所に建っていた。

 どこか空気が違うような感じがする。やはり神聖な場所だからだろうか。


「やはりいい神社だな···空気が澄んでいる」


「凜様。早速参拝致しましょう」


「そうだな。いくぞ景亮!」


 神社特有の空気にボーッとしていた俺は凜の呼び掛けにはっと気が付き、二人の後を追う。


 そして凜を先頭に参拝。俺はしきたりやら一切分からないので凛と絶の方をチラ見して真似た。


 それから暫くこの神社の回りを散策した。その途中、凜が一本の松の前で止まった。その松の下には仏像が置かれている。


「これは以前私が植えた松だな···もうこんなに大きく育っていたか」


 凜が懐かしそうに松に触れる。


「以前越中の様子を探るためここの近くまで来てな···その時に脚気を患ったのだが、清胤らが立ち寄った村で霊験が著しいと聞いたこの神社を参拝したのだ。すると、老人が私の枕元に現れてこう言ったのだ。"明朝卯の刻に杖を持って外に出よ。さすれば白鳩がそなたを導くだろう。白鳩が杖に止まったらそこを掘るがいい。霊水が湧き出てくる。それで足の病は治るであろう"とな」


 マジでか···!?


「その言葉通りに卯の刻に外に出てみれば、その通りのことが起こったのだ」


「まぁ、それで脚気は治ったのですね!」


「あぁ。故に病が治った後ここを参拝し、この松を植えたのだ。富山城下で聞いたところによると、今ではその霊水を沸かして浴場として整備されているそうだ。この後向かってみようと思うがいいか?」


「はい、ぜひ! 凜様が発見なされた霊水の湯。楽しみですね、旦那様?」


「お、おう···そうだね」


 若干引いている俺を余所に二人は楽しそうに散策を続けた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ