第九十七話 関山の湯
投稿遅れてしまい申し訳ありません!温泉回です。あと二話くらいはこれで持たせる予定。戦国時代の話から温泉巡りの話に···。
宿に到着した俺達がまず向かったのは関山の湯だ。赤っぽい色をした少し熱めの露天の温泉だ。
この時代、秘湯と呼ばれる場所は当然混浴で、脱衣所もなければ何かの仕切りもない。そして局部を隠す水着もない。タオルってか布はあるけど。
輝政もとい凜は常に冷静で何事にも動じにくい性格だが、こういうことについては全く耐性が無いと言ってもいい。恥ずかしがる俺の奥さんはさぞ可愛いことだろう。期待に鼻の下が伸びる。
さて温泉の近くに着くと、脱ぐのに時間のかかる二人が先に行けと言うので先に入ることにする。
「あ~···いい湯だなっと」
少し熱めのお湯が体に染み渡る。こう自然の中で温泉に入るのはいつの時代も良いものだ。
それから暫く一人風呂を満喫する。しかし遅いな···多分凜が渋ってるんだと思うが。その光景が頭に浮かぶ。何かドキドキしてきた···。
俺が温泉に口まで沈みブクブクしていると、ようやく二人が布で前を隠して現れた。布は同じ大きさのようで、凜よりも小柄であらゆる場所が控えめ(サイズとしては恐らく普通くらいという言葉が当てはまる)な絶は隠しきれているが、元々体が一般の女性に比べ高く、尚且つ出ているところはしっかりと出ている凜は隠しきれていない。布お前まじグッジョブ!!
照れで顔が真っ赤の凜を絶が背中を押して湯船に浸かる。
「「ふぅ···」」
二人が同時に溜め息をつく。温泉に浸かると息を吐きたくなるのはどの時代でも同じである。
やや緊張ぎみで動作がぎこちなかった凜だが、少しすると慣れ始めたのか自然に振る舞えるようになっていた。
「しっかし良いもんだね···三人で湯浴びなんて」
「はい、夫婦、それも一国の主が湯巡り旅をするなど聞いたことありませんでしたが、素晴らしいものですね!」
「あぁ···そうだな」
「他には誰もいないし」
俺のその言葉に凜が反応する。
「ほ、他の者がいたら私は入らんぞ!」
ホントいつもの凜とは全然違うな。気を張ってないって感じがする。
「ふふっ、私達が素裸を見せる男性は一生旦那様只御一人ですから」
「当然だ! ···そなたは私達の旦那様なのだからな」
何だかこうしていると戦国時代じゃないみたいだな···。まぁ奥さん二人ってのは俺のいた時代じゃ無理だけど。
「旦那様、何かしてほしい事はありませんか? 折角の暇なのですから旦那様にも凜様にもゆっくりして頂きたいのです」
してほしいこと、ね···そうだ!
「それじゃあ按摩をお願いできるかな?」
「按摩でございますか?」
あれ? もしかしてマッサージはともかく按摩という言葉もないの?
「手を使って身体中を揉みほぐしてほしいんだけど、お願いできる?」
「あぁ、分かりました! では失礼致しますね?」
そう言ってゆっくりと俺の肩を揉み始める絶。中々に気持ちいい。最近年を取ることが体に影響し始めてきた気がするなぁ···肩とか腰とか痛いときがある。
「どれ、私もしてやろう。旦那様?」
凜も参加してきた。しかも力加減が丁度いい。絶の優しく、労る手付きと違う。しっかり揉みほぐすっていう揉み方だ。整体師とマッサージ師みたいな。実際には両方行った事無かったから違いなんて分からないけど。雰囲気的にはそんな感じ。
その気持ち良さについ目がとろんとしてくる。やばい、寝落ちしそう。
「あら、旦那様? ふふっ、お体に障りますよ?」
「続きは宿の部屋にしよう。もう出ないと景亮が眠ってしまう」
「お、おう···」
その魅力的な提案に乗って宿に戻ることにした。急いで体を拭いて二人と合流し、宿に戻る。
戻る頃には辺りは暗くなっていた。




