婚活は丑三つ時にて
肝試しと婚活を一緒にしたイベントが実在するそうですが、
関係ありません
オレは鈴木、しがないサラリーマンだ。
今、絶賛婚活にはまっている。
もちろん最後は結婚する気はあるが、美味いもの食べれて女性と知り合いになれるんだから
「婚活は、やめられない!」
チラシなんかに載っている婚活は、だいたい経験した。
テンプレートすぎるのは飽きた。
そう思いながらネットを検索すると変わった婚活イベントを見つけ、翌週には主催者にアポをとり参加することになった。その内容は………
【男性歓迎!婚活イベント
開催時間・午前2時前後
集合場所・××公園】
××公園は、木が生い茂る植物公園、
今は人気が少なく、夏だというのに、やや涼しかった。
「深夜だから当然といえば当然か」
独り言を言いながら時計(ロレッ*ス)を確認
【01:50分】
「ここから移動するのか? または飲み屋とかで話すパターンか……」
オレは独りブツブツ言いながら〔丑三つ時〕を待った
<バチッ!!
電気の音がしたと思うと
公園中の電灯が
一斉に
フッと消えた
「おぁ!?」
オレは突然の暗闇に変な声が出た
慌てながらもスマフォを取りだし、ライトをつけようとした
その時!
<キィ…キィ…キィ…
「ェ、な、なんだぁ!?」
聞きなれない金属を引きずるような音
それは〔オレの後ろ辺り〕から聞こえてきた。
「ん? なんだぁ 車椅子か…」
振り返った先にいた音の正体は
〔スーツ姿でショートカットの髪の女性が車椅子に乗っていた〕
オレは安堵し、スーツ姿から参加者だと確信し、声をかけた。
「こんばんは、婚活参加者の鈴木です」
「よければ、一緒に会場へ………」
<キィィィ…
後ろを向いていた彼女が回転し振り返った
「コンバンワ」
「っ!!!!??」
優しく返事をしてくれた〔彼女〕しかし、彼女の顔は笑顔ではなかった
いや〔顔がなかった〕のだ。眉毛も、目も、鼻も、口もない
まるで茹でたての卵のように、つるんとしていたのだ!!
「鈴木さんデスネ、お待ちしてイマシタ」
顔のパーツが無いのに、彼女はオレに話しかけてきた。体の震えが止まらない!
「あんまり集まりがヨクナクテ、鈴木さんがキテクレテ ヨカッタァ」
<キィ…キィ…
「う゛う!?」
ゆっくりと車椅子を動かし近寄る〔のっぺらぼう〕
今更だが気づいたことがあった。
今、この公園はオレの目がなれていないから闇一色のはず、
だが
〔オレは のっぺらぼうを視ることができる〕
「あ……あはははははは!?」
目が慣れだし、ベンチを見つけたので自然と座ってしまった
<キィ…キィ…
「ズット、待って、待っていたんですよ?
・ミンナ・」
「「「オドゴダアアアアアアアア!!」」」
「ひぃいいいい!!」
オレの背後から三人の女性が現れ、
右手
左足
そして首もと に、しがみついてきたのだ。
オレは完全にベンチに束縛されたが、
そんなことよりも〔三人の女の異常さ〕に目が釘付けだった
右手の女は舌が異様に長く、目が蛇のよう
左足の女は左目が大きく腫れ、今にもゴロリと落ちそうな巨眼
首もとの女は片方の顔が焼け爛れたようだ
「アピールたいむです。ダレを選びますか、鈴木サン?」
<キィ…キィキィキィ
〔のっぺらぼう〕の乗る車椅子が速度を上げて
こっちに向かって来やがった!!!
「ryるな…来るなぁ……」
オレは絞り出すように声を出す。三人の〔化け物〕の手が ヒンヤリと絡み付く
<キィキィキィキィ
「ウフフフフフ♪♪」
「来るなあああああ%&£¢#」
そこでオレの意識は 消えてしまった
<…っち三万かよ。しけてんな
「ロレッ*スとクレジットカードは使えますね。
あ、これ今日のバイト代よ♪」
<<<あざーす! 姉貴!!
「ウフフ、本当に」
「婚活は、やめられないわ!」
=終わり=
書く許可をいただき、作者様には感謝します