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新年早々昔話

作者: あまね

「あけおめことよろ」

「はいはい、あけおめ」

「いやぁお年玉もらうと正月ってきがするな」

「神社がこむとお正月って気になるよそんなに御利益や福が欲しいかね」

「まぁ並んでいる僕らも人の事言えないけどね、今年も賽銭奮発するの」

「あぁ少量のお金で欲張るとロクな目に合わないから、昔話でも古今東西おおいだろ」

「そうだっけ?」

「有名なのは、花咲か爺さんに舌切り雀とかおむすびころりん、あと金の斧に銀の斧」

「あぁそれは欲張りだから酷い目にあったわけじゃないと思うんだよ」

「そうなのか」

「うん、どの話もさ一見正直ものだから福をもらえたし、欲張ったから身を滅ぼしたと思えるよね」

「そうとしか思えないな」

「しかし、今僕らが行う初詣にその手いるのさ」

「正月ボケにはまだ早いぞ」

「至って普通だよ」

「そうか元からボケていたか」

「失礼だな、そんなんだから今年の初詣のお願いも叶わないんだよ」

「まだわかんねぇだろうが」

「分かってしまうのさ、昔話の真実を読み解ける僕ならね」

「そんな大層なものじゃないだろうからとっとと言え」

「おうよ、重要なポイントがいくつかあるんだよ、分かりやすいのが金の斧銀の斧の話さ」



泉のほとりで木こりが自分の大切な斧を泉に落としてなくしてしまい、悲しんでいる所へ泉の女神が現れて、あなたが落としたのは、金の斧ですかそれともこちらの銀の斧ですかと問う、木こりは正直にその斧ではなくもっとみすぼらしい、普通の斧ですと告げると、泉の女神は微笑むと貴方は正直に答えたので、金の斧銀の斧を差し上げましょうと言って、木こりに与えて去って行きました。

木こりはこの事を不思議な出来事として仲間に伝えました。

その話を聞いた別の木こりが自分の使っていないボロボロな斧をワザと落としてみました、女神が現れ金の斧と銀の斧をとりだしてどちらが貴方の落としたものですかと問うと、木こりは金の斧と銀の斧の二つとも私のものですと答えた。

泉の女神は貴方は嘘つきですといい、木こりを痛めつけて泉へと引きずりこみました、木こりは溺れてしまい死んでしまいました。


「あれ死んだっけ?」

「単に斧を返してもらえなかったり、森の動物をけしかけられたり、森からでられなくなったりと色々パターンがあるみたい」

「まぁでもやっぱり、正直に答えた人は福があり、欲張った人は酷い目にあうってことだろう」

「違うなぁポイントとしてはまず大切なものというポイントさその手の話には、形は違うけど大切なものが出ているよ」

「あぁ言われてみたら、花咲か爺さんには犬、舌切り雀には雀、おむすびころりんではおむすび、金の斧銀の斧は斧か」

「話の中でそれらを失う描写が多いのも特徴だね、そして代わりに富や福を得るというのがポイントだ」

「なるほど」

「次のポイントとしては、福をえた人物の話を聞いて実行にうつす人はそれを模倣して失敗する、まぁ大抵欲張るという描写があるから、お前みたいに誤解するんだと思う」

「いやいや、欲張っているから失敗したんだろ」

「違うね、最初に落とした木こりは、斧を大切にしていないと言う事さ、他の話も自分が大切にしているものを失うという過程を得てないから福をえることなく、罰を受ける」

「なるほど、でも初詣のどこに繋がるんだよ」

「いやぁ、大切なものと思っていないならば、お賽銭投げ入れても成就しないだろ、むしろ願いより罰を受けそうだよね」

「新年早々いやな話だな」


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