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~二度寝するとその日って必ずと言っていいくらい、良いことないですよね?~

どこかの屋上に居る。

僕は何も考えず歩き出した。

徐々に歩くペースは早め、そして走りだす。


僕は勢い良くビルの屋上から飛んだ。


真っ逆さまに落ちていく体。

小さく見えていたものがどんどん大きくなっていく。

今まで見たことない流れる風景に胸の鼓動がすごく速くなる。

それは音なのか振動なのか、全身に伝わっていく。

恐怖で頭が真っ白になる。


地面にぶつかる瞬間、ベットから飛び起きた。

「はぁ・・はぁ・・」

手で胸を押さえた。

心臓がバクバクしている。

なんだ夢か・・・寝よ。

目を瞑り、深呼吸して息を整え寝ようとした。


・・・?


何か違和感を感じ、目を開けた。

見たこともない真っ白な空間。そこは果てしなく続いているようだった。


む・・・?

またか?

仰向けで寝たはずなのにまた、横を向いている。

昔から寝相悪いって言われてるからなー。


寝返りを打ち、逆の方向を向いた。

見たことがある真っ白な空間。そこは果てしなく続いていた。


む・・・?

寝心地が悪いな。

制服のまま寝てたみたい。ブレザーは生地が厚くて寝にくいからなー


仰向けになって寝ようとした。


「起きなさい」

「うわぁ・・!」

声に驚き、ベッドから飛び起きた。

手で胸を押さえる。

心臓がバクバクしている。

深呼吸して息を整え、正面を向いた。

真っ白な空間。そこに佇む一人の女性。後ろの空間は果てしなく続いている。

なんだ・・・夢か寝よ。


うつぶせになって寝ようとした。


「起きなさいっ!!」

「はひっ!!」

うつぶせのままベッドから飛び起きた。

起きた勢いで立ち上がり、ベッドの上で[気をつけ]の姿勢になった。

「やっとおきましたね?」

ベッドに立つ僕を少し見上げる女性。


さっき、逆の方向にいたよね・・・?


可愛い人・・・というより美人さんだね。

凛とした感じが魅力的だ。

目も大きいし、目つきが鋭いから威圧される感じがある…

女の子の上目づかいって誰でも可愛いと思ってたけど、この人の場合はすげー怖いな。


「はいっ。おはようございます。どちら様ですか?あとここは?良ければ、寝起きの僕にも理解できるよう・・・お願いします」

辺りを見渡しながら聞いた。


何もないね。

何でか下に僕のベッドはあるけど…


「余裕がありますね。良いことです。私はあなたの住んでいた世界とそれとはまた違うもう一つの世界をつなぐ者です」


何言ってんのこの人?

ちょっ…頭痛くなってきた。

どうせここも夢でしょ?


「あのう…すみません。ベッドで横になって聞いても良いですか?」

「あなたはすぐに寝るのでダメです。そのまま聞いてください」


厳しいなー。


足を肩幅くらいに開き、手を後ろにして[休め]の姿勢を取る。


ベッドの上でこの姿勢はシュールだね。

見る人が見たらそういうプレイに思われそう。


「そして、ここは…この空間はその世界と世界の間です」


ますます何言ってんのこの人?

しかも真顔で。

ちょ…頭がクラクラしてきた。

ここは夢でしょ…?


「すみません。寝ないので座って聞いても良いですか?」

「わかりました」


腰をおろし、体育座りの姿勢を取った。

寝起きで貧血なのか頭痛がする。


「続けますね。あなたは住んでいた世界では死にました」


えっ…

いやいや急に…何…言ってんの?

ここは…夢?…だよ?


「マンションから身を投げ出して」

「…いや…それは夢で…」


少しずつ息が荒れ、胸が苦しくなっていく。

頭痛がひどくなった。


「覚えてないようですね。ではあなたが見た夢、悪夢と言ってもいいでしょう。最後に見た光景は?」

「目の前に地面が…そこで……目が覚めて…ここに」

「もしそれが現実だとしたら?」


嫌な汗が額を濡らす。

この感覚には覚えがある。

けど、それは数分前の夢の中の話だ。


「覚えてない…ではなく、その先を知らない。あなたは死んだから」

「…そ……」


言葉にならない声が出る。


「では、この場所は?あなたが夢から覚め、起きた場所。今いる場所、これもあなたが見ている夢?」

「夢から覚めて夢に起きる?」

「違う。どちらも現実なの」


すべてを聞いて頭を上げるのが辛くなり、下を向いた。


実感がない。けど…


見覚えのあるベッド、着ている制服が目に入った。

そこに疑問が生まれる。


「…これは?ベッドは?制服は?」

「それは私があなたの世界から持ってきたの。あなたが目を覚ました時、安心すると思ってね。どうやらあまり意味無かったようね。逆にあなたを混乱させてしまった。ごめんなさい」


それを聞いて後ろに倒れ込んだ。

仰向けで見た先に広がる真っ白な空間。

まるで僕の頭の中みたいだ。


「僕はどうなるのですか?」


咄嗟にでた言葉。

あるかわからない先への質問。


額に温かい手のぬくもりを感じた。



「あなたにはもう一つの世界で新たな人生を歩んでもらいます」





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