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日常崩壊カウントダウン(上)

Q.そんな小説で大丈夫か?

A.大丈夫じゃない、問題だ。


欲望に身を任せてぶち込んだ結果の痛作品です(´・ω・`)

ヒグラシの喧しい鳴き声が、もうすぐ日が暮れ、

暗闇となるであろう森に響く


俺がなんでこんなとこに居るか、そもそもなんで、

こんな田舎(いや、俺の家も割と田舎だが…)にいるか



話は三日ほど前へと遡る


















「は?仕事?」

「そう、ちょっと遠くの方で用事が出来てね、

せっかくだから、家族皆で旅行気分を」

「ふざけんな、俺は行かねぇぞ、

学校だっt」

「連絡は入れておいたぜ、

俺と弟が、親の仕事の都合で、遠くに出かける為、

暫く学校を休みます、ってな」


馬鹿兄貴が、余計な事をしやがった



という訳で、行きたくも無い田舎に行く事になった


今は夏、学校じゃこんなとこに居るより楽しい行事が開かれているだろう、

そう考えると、惨めな気持ちになる






「あーぢぃぃぃ……」

ド田舎、電気も通ってないこんな場所、

クーラーも扇風機もねぇ、

あるとすれば、さっきから風に揺られて涼しげな音を出す、

風鈴くらいだ


…勿論、風鈴なんかで涼しくはならず、容赦なく夏の暑さが、

俺の居るこの場所を、灼熱地獄へと変えている



「おーい、我が弟よー」

俺がこんな場所に行くハメになった原因の一つが、

自重もせずに話しかけてくる


とりあえず近くにあったお盆を掴むと、

声のした方にお盆をぶん投げた


「ぐふぉっ…さ、流石我が弟…容赦ない…」


どうやら兄貴の玉金に命中した様だ、

後ろで蹲る兄貴の姿が、視界の端っこに映った、

うぜぇ、ちょっと映っただけでも凄まじく不快だ


「…んで、クソ兄貴、何か用か?」

「クソを付けるなクソを」

「うっせ」

「……あー、とりあえずだ、何時までもこんな所で

ごろごろとしていては、ただのぶ」

今度はコップを投げつけた、床は畳、

落ちても割れる事は無いだろう


「がふぉっ…!…流石…だ…またも…俺の…秘剣に命中させるとは…ぐふ…」

またもうずくまり、股間を押さえ悶絶する





「…出掛けるぞ」

「は?」

「出掛けるといったら出掛けるぞ!行くぞ我が弟!」

兄貴は、こう見えてそれなりに力は強い、俺の首根っこを掴むと、

ずるずると引っ張っていく


「ちょ、てめっ…あががが……」

見事に引っ張られていく俺を笑うかの様に、

風鈴が涼しげな音を立てた










「そして今に至ると…あのクソ兄貴!俺をこんなとこにほっぽって、

どこに行きやがったアンチクショウがァッ!!」

うがーと頭を掻き毟って思いっきり叫ぶ、

帰ったらあのクソ兄貴、いやクソと呼ぶべきか、

ぶっ飛ばす、ぶっ飛ばすついでにあの世に飛ばす


とはいったものの…辺りは既に暗く、先程まで聞こえていたヒグラシの鳴き声も、

全く聞こえなくなっていた


「………」

そう、完全に"迷った"、こんな森の中で遭難など、冗談にならない


下手に歩けば余計に迷うだけだろう、と、

その場で座り込む


「…ん…?」

ふと、暗闇に包まれた森の中、

枝が折れる音がした、地面に落ちた枝を、

ちょうど誰かが踏んづけて折った様な音


もしかして、誰か人がいるのか?


「…うし…」

とりあえず、音のした方へと、歩み出す、

思えばこの時、この音を聞き逃していたら、

間違いなく、今は無かった








「………おいおい…」

目の前には、木造の建物が、夜の闇に包まれながらも、

異様な存在感を放っていた


真面目に、幽の霊か何かでそうな雰囲気だな…


「…まさか、これがいわゆる、幽霊屋敷…ってヤツか?」

…言っとくが俺は幽霊なんざ信じてない、

そんなん居る訳無い、そう、居るはずがない


とりあえず、建物の入り口と思われる戸を発見し、

手を掛ける


「よい…しょっと?!」

がらがら、と音を立てて、戸が開いた、

見かけによらず、それほどぼろくは無いらしい、

それに、鍵がかかっていなかった


そして、戸を開けると、俺の家の玄関など比較にならないほど大きい玄関があった、

が、並んでるのはちょっと古い靴だけ


…ん?靴?


こんなボロそうな屋敷に、誰か住んでるのか?


「……おじゃましま~す…」

とりあえず、靴を脱ぎ、玄関に丁寧に並べると、

家の中へと入った


中は思ったより広い様だが…暗い、明かりは着いておらず、

家の中は外と対して変わらない程暗い


「…?!」

近くの戸の奥から、物音が聞こえた、

やはり、この屋敷には誰かが住んでいる様だ


そっと、音のした戸に手を掛け、静かに開ける


……………誰か、居る様だ、

だがやはり真っ暗で、誰かがいる、という事しか分からない


大人か、子供か、男か、女か、それとも人じゃない者…幽霊…?


「………」

静かに壁伝いに歩いて、壁を探る


…あった、丁度、手元に部屋の電気のスイッチと思われる物を見つけた


思い切って、スイッチを押した


明かりが着き、部屋全体を照らす、

そして、その誰かの姿も


……が、その姿を照らしたのがまずかった


「げっ…!」

「……………」


目の前に居たのは、氷の様な水色の髪、

その髪と同じ様に、水色の目をした少女がいた


身長は俺より少し小さい程度、そして…

雪の様に真っ白な肌をしていた


………なんで、肌の色が分かったかって?

…いや、ね、うん、そのね…目の前に居るこの子が………


「…ぁ…ぃゃ…その…これは……」

「……………」


なぜか、その、ねぇ?……はd…


「…客人か、少々待っててくれ、すぐに服を着て、茶を入れr」

「ぐっふぁぁぁっ!!」


俺には刺激があまりにも強かった、

どこぞのギャグの如く、鼻血を吹いて、俺はぶっ倒れる、

もうこのままくたばってもいいかもしれん、

そして見事に、俺は意識を手放した

















「……んん…?」

ふと気が着くと、俺はどっかの部屋に敷かれた布団に寝かされていた、

先程まで、俺は別の部屋に居て…


「あぁ、気が着いた様だな」

すっとふすまが開いて、誰かが入ってきた


「は?」


声の主が、自分の横で正座して、こちらに微笑みかけた


氷の様な水色の髪、それと同じ様な、水色の目をした少女、

今は正座しているが、多分身長は俺よりちょっと小さいくらいだろう、

手や顔は、雪の様に白い


…ん?どっかで見かけた様な…


目の前で正座をして微笑みかけている、着物を着た少女…


「………あ」

「全く…驚いたぞ、声も掛けず、着替えている最中に明かりを着け、

部屋に入ってくるとは…てっきり山賊かと勘違いして、斬ってしまうところだった」


きってしまうとこだった?


少し目線を動かすと、部屋の端には、

掛け軸が掛けられ、その下には、刀の置かれた台があった、

確か…ああいうのを脇差っつんだったか?


「………って…」

着替えてる最中?明かり?


………


思い出した、目の前で…はd……


「っ…」

鼻を押さえる、危なく赤い噴水の一発芸をするハメになった


「?…どうした?大丈夫か?」

首を傾げる、着物の少女


「あー…いや…大丈夫だ……」

「?…そう、か」

「………」


暫く、お互い無言のまま、目を合わし続ける


少女の目は、本当に氷の様な青、透き通り、

少し日を浴びれば、溶けてしまいそうな…


「……一つ、問いたい事があるのだが、良いだろうか?」

「へ?」

いきなり話しかけられ、間抜けな声をだしてしまう


「なぜ、ここに?…ここには、余程じゃ無い限り、

誰も訪れる事は無い…貴方は、どうしてこんな場所に?」

「…あ…えと……」


まず、こちらも、なんでこんな場所に住んでいるのか聞きたかったが、

今は、相手の質問に答える事にした



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