特攻隊士の精霊
「へぇー…圭一君が「千の風になって」を歌うんだ!」
浅野俊介が自宅のリビングのソファーで、意外そうな声を上げた。向かいに座っているアイドルの北条圭一は、何か神妙な表情をしている。隣に座っている風間祐士は、圭一に「どうしたんですか?」と心配げに尋ねた。
「…僕なんかが歌っても…誰の心にも響かないんじゃないかって思って…」
「えっ!?そんなことないよ!…だって、依頼があったから歌うんだろ?」
浅野が慌てるように言った。圭一はうなずいてから「でも…」と言った。
「僕、戦争というものがわかっていないし…。」
「?…戦争?」
「ええ…。来月「戦没者をしのぶ会」をするから、そこで歌ってほしいって依頼があったんです。なんでも、その会を開く人が僕のファンらしくて…。」
「じゃぁ、そんなに心配することないんじゃない?ファンに呼ばれたんだから。」
「でも、会に出席する方には関係ないじゃないですか…。僕の事も知らない人がいるかもしれない。…そんな人からしたら、20歳の子どもが歌う「千の風になって」なんて聞かされても…失笑ものなんじゃないでしょうか…」
「圭一さんらしくない!」
風間が急に声を上げた。圭一も浅野も驚いて風間を見た。
「圭一さんの歌は、心に響くことが評判になっているんです。圭一さんなりに…というか、圭一さんらしく心を籠めて歌えば、きっとどんな人の心も動かせると思いますよ。」
「風間君の言うとおりだ。」
浅野が感心するようにうなずきながら言った。
「君なりに、心を籠めて歌えばいいんだ。ザリアベルだって、言ってたじゃないか。」
圭一は目を見開いていたが、やがてはにかむようにしてうつむき「はい」と答えた。
風間が圭一の肩を励ますように叩いた。圭一は風間に向いて微笑んだ。
……
「だから、僕は「悪魔祓い師」で「霊媒師」ではないんですって!」
風間は、電話の向こうの相手に言った。
「え?そりゃまぁ…全く見えないってわけはないんですけど…。」
風間がしどろもどろになっている。今、風間は相澤プロダクションの会議室にいた。
以前、風間が病院で「さえ」という女の子に憑いていた妖怪「狐狗狸」を祓ってから、その場にいた看護婦や患者達から噂が広まり、風間が「悪魔祓い師」だということが広まってしまった。そしてテレビ出演以外にも、一般の人から、直接いろんな依頼が来るようになったのだ。
どんな小さな仕事もできる限り受けるのが、相澤プロダクションの「売り」ではあるが、タレント活動でないことまで受けていると、風間の体が足りない。ちなみに「相澤プロダクション」に入ってからは「祓い料」は取っていない。(本来、エクソシストは「無料奉仕」が原則なのである。)
…困り果てたように目に手を当てていた風間は、ふと向こうの言葉に手を離した。
「え?…息子さんの自殺を止めてくれた?」
風間は、心が動いたのを感じた。
……
「日本兵士の霊?」
浅野は、自宅のソファーで驚いたように目を見開きながら言った。その隣で、圭一も驚いた目で風間を見ている。
「はい。浅野さんもついてきてもらえませんか?」
向かいのソファーに座っている風間が懇願するように言った。
「幽霊は苦手なんだけどなぁ…。」
浅野は身震いして、両腕を抱きながら言った。風間が言った。
「息子さんが自殺しようとしたところを、その霊が止めてくれたんだそうです。それでお礼をしたいって…」
「お礼…って、どうするんだ?」
「霊を成仏させてあげたいっておっしゃるんですよ。」
「…何か心残りでもあるのかなぁ…」
浅野は、自分で自分の両腕をさすりながらいった。
「そうだと思うんです。正直、僕では成仏させてやれないとは思うんですが、天使「アルシェ」の力を借りればできるかなって…。」
圭一が浅野に向いて言った。
「浅野さん、僕からもお願いします!風間さんに手を貸してやって下さい。」
風間と圭一の真剣な目に、浅野はひとつため息をついてから言った。
「確かに、これは悪魔のザリアベルに…という訳にはいかないしな。わかった。明日一緒に行こう。」
「ありがとうございます!」
風間が頭を下げた。すると圭一が「僕も一緒に行っていいですか?」と風間に言った。
風間は驚いたが「もちろん!」と快諾した。
……
翌日-
風間達は、自殺しようとした「山下俊之」という高校3年生の少年の家を訪れていた。
「無理を言いまして、申し訳ありません。」
風間達の向かいのソファーに座っている、俊之の母親が言った。俊之も頭を下げている。
「いえ…。早速ですが、俊之君を助けたという「日本兵士」の霊の事をお聞きしたいのですが…。」
風間がそう言うと、俊之は「はい」と言って、涙ぐみながら話し始めた…。
……
『期待に添えなくてごめんなさい。俊之』
俊之は自筆のその遺書を読み直し、ため息をついた。…手がかすかに震えているのがわかる。
(僕…本当に死ぬんだ。)
そう自分で思った。そして遺書を畳んで、ジーパンの後ろポケットに入れた。
俊之は、目の前の木を見た。学校の中庭にあるこの木に、首を吊るにはちょうどいい太い枝がある。俊之は持っていたロープを、その枝に引っ掛けようと木を見上げた。
その時、どこからか『死ぬの?』という声が聞こえた。
「えっ…」
俊之は驚いて、辺りを見渡した。
すると、木の向こうに「兵士」の格好をした少年が立っているのが見えた。
「!!」
俊之は驚いて目を見張った。
『死ぬのかい?』
何故か怖さは感じなかった。俊之は「うん」と答えた。
『さっきのは…遺書?』
「う、うん。」
『僕も書いたんだ。』
俊之は息を呑んだ。
「でも、君…」
『僕は、まだ死んでないよ。』
「え?」
『だから君も、ちょっと待ってくれないかな?』
「一緒に死んでくれるの?」
少し間があった。
『うーん…一緒には無理だけど…僕の最期を見て欲しいんだ。』
「…最期?」
『毎年ね、お願いするんだ…誰かに。…でも、どうしてもここに戻ってきてしまう…。』
「!?」
『特攻隊って知ってる?』
俊之は目を見開いた。
「うん…知ってる…」
『もうすぐ飛び立つんだ。敵の軍艦に突っ込むの。』
「どうして、そんなこと…」
『決まってるじゃないか。お国のためだよ。』
「…お国のためって…そんなばかなこと…」
『君はなんのために死ぬんだい?』
「!!!」
『これからの日本のために僕は死ぬんだ。』
「……」
『君はなんのために死ぬんだい?』
俊之は思わずうつむいた。また間があった。
『…日本は勝つのかな…』
「!?…」
俊之は本当のことを言ってもいいのかと悩んだ。だが、意を決して言った。
「…負けるよ…」
『!…負ける!?』
「でも、負けても平和になる。」
『平和って…何?』
「みんな戦わなくてよくなって…自分の好きなことができるんだ。…好きなもの食べられて…好きな歌だって歌える。」
『…へえ…夢のようだな。』
その少年の言葉に、俊之は泣き出しそうになった。
『じゃぁ…僕はどっちにしても死ぬ価値あるんだね。』
「どうしても死ななくちゃならないの!?」
『え?』
「逃げたらいいじゃないか!!」
『親に恥をかかせるわけにはいかないからね。』
俊之はとうとう泣き出してしまった。
『君…優しいんだね。』
少年の表情が、少し和らいだ。
『あのね。お願いがあるんだけど。』
「…何?」
『生きて欲しいんだ』
「!?」
『そして僕の未来を守って欲しい。』
「君の未来?」
『うん。僕と同じ名前で「タツヤ」っていうんだ。今、君のように悩んでる…でも僕の声が届かないんだ。』
「!?…どこにいるの?」
『よくわからない…。ただ苦しんでる姿だけは見えるんだ。でもどうしても僕の声が届かない…』
「…わかった…僕、頑張って探してみる。」
『ほんと!?』
「うん。」
『約束だよ。』
「うん、約束する。」
少年の顔がほっとした表情になった。
『もう…行かなきゃ。』
その時、飛行機が飛び立つ轟音が響いた。俊之は思わず空を見上げた。辺りに飛行機のエンジン音が響いている。少年は俊之に敬礼した。…同時に少年の姿が薄れていく…。
「行くな!」
俊之がそう言って、少年に抱きつこうとした。だが少年の姿が消えた。
「!!!」
轟音が響いた。俊之は、思わず両手で耳を塞いだ。
『…敵の飛行機だ…こっちに向かってくる!』
少年の声が俊之の心の中に響いた。震えている。俊之が「逃げるんだっ!」と、耳を塞いだまま叫んだ。
『だめだ!…軍艦に辿り着けない!』
「早く逃げろ!!」
『約束…忘れないで…』
俊之が泣きながら「お願いだから逃げてっ!」と叫んだ。
『…頼んだよ!』
大きな衝突音が響き渡った。
俊之は耳を塞いだまま、その場にしゃがみこんだ。
……
「僕…気が付いたら、走り出してて…手にロープを握ったまま家まで帰っていました。」
俊之はそう言って、泣き出した。母親が涙を拭いながら、その俊之の背をなだめるように撫でている。
風間達もショックで声が出なかった。…しばらくして、圭一が言った。
「「タツヤ」君を探さなくちゃ…。」
風間達がはっとして圭一に向いた。
「たぶん彼は「タツヤ」君のことが気がかりで、成仏できないんだと思います。」
その圭一の言葉に、俊之が泣きながらうなずいて言った。
「僕…あの人と約束したのに…どうやって探せばいいのかわからなくて…」
「自分と同じ名前だと言っていたな。」
浅野が呟くように言った。風間が言った。
「恐らく、彼の子孫なんでしょう。その「タツヤ」君は何かを悩んでいて、俊之君のように「死ぬ」ことを考えているんだと思います。」
浅野が目を見開いて言った。
「…ということは、早く見つけてやらないと…」
「ええ。その「タツヤ」君は自殺してしまう…」
「風間君、探せるか?」
「…やってみます!」
風間はそう言うと、ソファーの横へ立ち上がり、両手を前に差し出した。
「鏡の陣!」
陣が現れた。俊之と母親が驚いて、その陣を見ている。風間はゆっくりと両手を開いた。陣が膨らむ。
まだ、中には何も映っていない。
「邪気を祓い、迷える魂を映せっ!」
風間がそう言うと、陣の中に兵士姿の少年が姿を現した。
「!!…あの人だ!」
俊之が言った。風間達は思わずその少年の姿を見つめた。…だが、その姿が少しずつ変わり始めた。
「!?」
全員が姿を変えていく少年を見つめた。そしてその姿がはっきりした時、俊之が「あっ!」と言った。
「…2組の「遠藤」君!!」
「えっ!?」
母親が驚いた声を上げて、俊之の肩を掴んで言った。
「あの「遠藤」君!?…T大を受けるって噂の…」
「そう…その遠藤君だ…。まさか…遠藤君も受験の事で悩んで…」
俊之が死のうとしたのは、親の期待が大きすぎて、それを負担に思っていたことからだった。(もしかすると遠藤君も…)と俊之は思った。
「…おい…ここどこだ?」
浅野が目を凝らして言った。この「遠藤」という少年の顔が恐怖に歪んでいるように見える。
「!…浅野さん!これビルの屋上!?」
圭一が叫んだ。全員が驚いて、陣を見つめた。
浅野は陣に手を乗せ、目を閉じた。
…しばらくして、浅野は「はっ」と目を開いた。
「学校か!!」
浅野は、そう叫んだと同時に姿を消した。
驚く俊之と俊之の母に、圭一が微笑みながら言った。
「浅野さん、本当に天使なんです。きっと遠藤君を助けてくれますよ。」
風間が陣を更に大きく広げた。
「…このまま、遠藤君の様子を見ましょう。」
その風間の言葉に、全員が陣に映る遠藤を見つめた。
……
「遠藤達也」は、校舎の屋上にいた。風が髪を吹き上げている。達也は柵の外に降り、下を恐ろしげに見下ろしていた。
(一瞬だ。…痛みは一瞬で終わる…)
達也はそう思いながらも、後ろ手につかんだ柵から手が離せない。達也は、目を閉じて、ふーーっと息を吐いた。
そして、もう1度目を開いた。
「!!」
目の前に、大きな白い羽を広げた男が浮かんでいる。銀髪で、精悍な顔つきをしていた。
「天使?」
達也は思わず言った。男は「そう」と答えた。
「アルシェだ、よろしく。おっと、手は離すなよ。死んでもらっちゃ困る。」
「!?」
達也は目を見張った。
「君の事を、ご先祖さんから頼まれてね。」
「ご先祖?」
「君、5組の「山下俊之」君って、知ってる?」
「!…W大受けるっていう…?」
「うん。…彼も死のうとしてね。君のご先祖さんに助けられた。」
「僕の!?」
「そう。成り行きみたいだけどね。」
天使はそう言うと、達也の額に指をつけ、目をじっと見つめた。その真剣な目つきに達也は目が離せなくなった。
「…あー見えた。…本人じゃないからどうかなと思ったんだが…なるほどな…」
天使はそう言うと指を離した。達也は不思議そうな表情で天使を見た。
「君のご先祖さんが、どうしてこんなに長い間成仏できないのかわかったよ。」
「!?…成仏できない?」
「そうなんだ。君が死を意識したのは、ごく最近なはずだ。だから君の事が心配でと言うのなら、それまでにどうして成仏できなかったのかわからなかったんだけど…」
天使は、悲しそうに目を伏せて言った。
「君のご先祖さんは、まだ自分が死んだと思っていないんだ。気の毒なことに、悪夢を繰り返すように何度も敵の軍艦に突っ込もうとして、その度に攻撃されている…。…きっと軍艦に突っ込まないと、死ねないと思ってるんだね。」
「…そのご先祖って…もしかして…」
天使は達也に、ニッコリと微笑んだ。
「知ってるのかい?」
「…はい。特攻隊士だった、ひいおじいちゃんだと思います。文武両道で、とても優秀な人だったって…。…僕は親戚の中でやっと産まれた男の子だったので、その名前をもらったのだと聞きました。確か「少尉」という階級で…身重だったひいおばあちゃんを残して、19歳の若さで死んでしまったって…。」
「…そうか…それは本当に気の毒な話だな…。きっと彼は死ねないことで、家族に恥をかかせることを恐れているんだろう…」
達也はうなだれた。
「達也君、頼みがあるんだ。」
天使のその言葉に、達也は驚いて顔を上げた。
……
「少尉!」
その声に、「遠藤達也」少尉は、自分の乗りこむ飛行機の前で立ち止まった。振り返ると、自分と同じ年齢くらいの少年が立っている。
「!…君は!」
少尉は嬉しそうに微笑み、少年の元に駆け寄った。
「僕の未来」
少尉はそう言い、少年に手を差し出した。少年は涙を浮かべながら、その手を握った。
「ひいおじいちゃん…」
「…そうか…そうなるのか、僕は。」
「ひいおじいちゃん…ごめんなさい…」
「いや、無事で良かった。これからは、自分の命を絶とうだなんて決して考えない事。約束できるね?」
「はい。」
少年が目を拳で拭った。少尉は微笑んで言った。
「それから、僕との約束を守ってくれた人…なんて名前?」
「山下俊之君です。」
「山下君か。彼の事も忘れない…。本当にありがとうと伝えてくれ。」
「はい!」
少尉は微笑んでうなずいた。
「…これで心おきなく、発てるよ。」
「…ひいおじいちゃん…」
少尉は少年の手を離し、敬礼した。
「君がいつまでも幸せでありますように…そして日本がいつまでも平和でありますように。」
少年は泣きながら敬礼を返した。少尉は敬礼を解いて背を向け、飛行機に乗り込んだ。
「…遠藤、出撃します!」
その少尉の声と共に、飛行機のエンジン音が轟いた。
「ひいおじいちゃん…!」
少年が声を上げた。だが、何かを堪えるようにぐっと唇を噛んだ。少尉は少年に敬礼をして、飛行機と共に空へと飛んだ。
……
…少尉は空を見て、目を輝かせた。
『見事な日本晴だ!視界も良好!』
少尉はすぐに下を見ると、ほっとしたように言った。
『…ああ、敵の軍艦がはっきり見える!』
少尉は、機体をゆっくり下げた。
『向かう敵機なし!…このまま、突撃します!』
少尉は喜びに震えながら、レバーを両手で押し下げ、敵の軍艦に機首を向けた。
『甲板に人の姿なし!』
その時、少尉の頭の中で「ひいおじいちゃん!帰ってきて!」という少年の声が響いた。少尉は微笑んで叫んだ。
『大日本帝国万歳!!』
機体は甲板に激突し、轟音と火柱を上げて散った。
……
校舎の屋上で、達也は頭を抱えたまま座り込み、声を上げ泣いていた。
天使はじっと黙っていたが、達也のそばにしゃがみ込んで言った。
「…ひいおじいさんは…これで成仏できたよ。…ありがとう、達也君。」
達也は、頭を抱えたまま首を振った。
「…止めたかった…でも止めたら…」
「そう。同じことを繰り返すことになるだけだ。…ひいおじいさんは、君の未来のために死ななければならない…と思っていたからね。」
達也は、泣き続けた。天使はそっと、達也の肩に手を乗せた。
…そして、陣を通して最後まで見ていた俊之も、声を上げて泣いていた。母親も俊之の背を撫でながら、涙を何度も拭っている。風間と圭一も、涙があふれ出るのを堪えられなかった。
…しばらくして、圭一がつぶやくように言った。
「僕…「千の風になって」を、遠藤少尉のために歌います。心を籠めて…少尉に届くように…」
風間は涙を拭いながら、微笑んで圭一の肩を叩いた。
……
翌月-
「戦没者をしのぶ会」のステージで、圭一は「千の風になって」を歌っていた。
客席は静まり返っていた。皆、真剣な表情で、歌う圭一を見ている。中には目を閉じて聞いている人もいた。…そして、その最後列に、浅野、風間、俊之、そして達也もいた。
突然、達也が思い出したように声を震わせて泣き出した。その肩に、俊之も涙ぐみながら手を乗せた。
達也は目を拭いながら、俊之と微笑みあった。
…その時、空いていた達也の隣の席に、すっと少年が座った。
「!!」
達也と俊之が驚いて、その少年の横顔を見た。
「…ひいおじいちゃん…」
達也が思わず呟いた。少年は微笑んで、目を見張っている達也達に向いた。
『素敵な歌声だね。心に沁みるよ。』
少年が言った。達也は、涙を堪えるような表情をしてうなずいた。俊之が微笑んだ。
少年はまた前を向き、目を閉じて歌う圭一を見つめた。達也達もステージを見た。
…圭一の歌が終わると共に、達也達は隣の少年を見た。少年は2人に向いて微笑み、ダイヤモンドダストのように姿を散らせ、消えた。
(終)
……
挿入歌「千の風になって」
日本語詞・作曲:新井満
特攻隊の方々をはじめ、戦没者の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。