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第4話 山賊(仮)

試練か体のいいイジメかのような日替わり現場を今週も無難にこなし、週末になると俺は“旅人”になる。

何かに取り憑かれたかのように家を飛び出し、自転車やバイクで駆け巡る。

こいつらとは長い付き合いの相棒だ。

今じゃアチコチにガタが来て、その度に部品交換だったり改造したりして、気がつけば買い替えられる程つぎ込んでいるはずだが、気にしないし後悔もない。

今日も肌寒い中、山道をツーリング。行き先はあるにはあるが“北のほう”とか“高台”とかまさに旅人。

“風の向くまま、気の向くまま”でやって来た山頂近くの駐車場。

登山口を兼ねていて、ちょっとしたアスレチックやキャンプ場があるらしく、親子連れや若者が何組かいる。

「登山靴履いてくりゃよかった⋯」

俺の服装といえば、厚めのジャケットにジーンズ。ブーツは履いているが、フィールドワークするには靴底が心許ない。

そんな本格的に挑むわけでもないのに、身なりに拘ってしまう。

誰に似たんだか⋯。

そんな事を考えていると、

「バイクかっけ〜!」子供が近寄ってきた!

「乗ってみたいな」「お兄さんに御迷惑でしょ?」

『乗ってみるかい?走れはしないけどな』

「やった!」「いいんですか?」

『どうぞどうぞ、未来のバイク乗りの勧誘は大歓迎ですよ』

ワクワクして乗ったその子に、ギヤをニュートラルにしてエンジンかけてサービス。

「すげぇー、これで山を走り回るお兄さんは冒険者?」

『まぁね』と曖昧に返事してワイワイしてると、

「もし良かったらどうぞ。」

とタンドリーチキンのお裾分け。

「良かったら、御一緒にお食事でも?」

『ありがたいんですが、もうすぐ日が暮れるから暗くなる前に街まで戻りたいので。お気持ちだけありがたく』

団欒ムードが出来上がる前に、その場を離れた。

これじゃ、冒険者じゃなく見つかった山賊みたじゃないか⋯。

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