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第15話 女の勘

「健康診断だったんですよ。異常なしです。」

『了解です!って思わず乗っちゃったじゃないですか!笑

そうだったんですね。その割には顔色悪いような?』

「そんなつもりはなかったんですが、ついクセで。

ところで、あなたこそ。昼時間とはいえ平日ですよ?」

『今朝、出勤途中に脚ケガしたイヌがいて、会社に遅れるからとりあえずハンカチを巻いておいたんですが、どうにも気になって昼休み抜けて来たんですよ』

「(そういえば、裏の公園にイヌいたな)もしかして、シバイヌっぽい?」

『それです。何処にいました?』

「ココの裏の公園の木陰に。」

『お時間あったら、御一緒してもらえませんか?』

「構いませんが、吠えられないかな?俺、動物に詳しくもないし」

『大丈夫、多分』

何が大丈夫か謎だが、向かう。

『保健所とかに捕まってなくて良かった』

イヌと目が合う、がすぐ逸らされた。

「わりとおとなしそうですね」

『この子、朝はすぐ逃げちゃってなかなか手当てさせてくれなかったんですよ。でも今は不思議』

「むやみに馴れ合わないみたいな感じでは?」

『詳しくないってわりには、よくわかりますね。

でも、ひとりぼっちっでかわいそう』

「それは、コイツに失礼かも?

ひとりに“なった”んじゃなく、ひとりで“居る”のかもしれないし。

野良犬の矜持みたいな」

『まるで、戦友みたいですね』

「戦友?戦友か⋯まぁ、俺もいつでも何処にでも行く“会社のイヌ”みたいなものですからね」

『⋯そんなリアクションに困る事言わないでください。そんな冗談もいうんですね。この前と印象違う』

「聞き流してくださいよ。そんなに違います?」

『ドコがって言うのはわからないんですが、“女の勘”みたいな。』

「それは気をつけないと、女性の勘は本能ですから。お前もそう思うだろ?」

巻き込むなとばかりに鼻を鳴らした。

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