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孤高戦姫ニカ  作者: 鳥柄ささみ


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本編シナリオ

 主人公ニカは幼少期に廃墟で捨てられていたのをそこに調査に来ていたリベレイトの第二部隊のリーダーであるザハトに拾われて孤児院で育てられた。

 記憶がなく、感情表現が乏しく、何事にも無関心であったが、唯一メシアの操縦だけは非常に優れていた。

 そのため、孤児院を出たあとはメシアのパイロット養成学校であるデウス・エクス・マキナ学園に入学した。


 ニカは知能・技術共に非常に成績優秀ではあるが、協調性が全くなかった。他人に興味がなく、対バグ戦闘中に味方が絶対絶命のピンチであっても「能力が低いから死ぬ。自業自得」と言いきり、協力姿勢をとらなかった。(ほぼ見殺し状態で足手まといがいてもこちらが不利になるだけという認識)

 そのため、クラスリーダーであるダージスとはよく揉めており、学園内で孤立するも、それすらも全く気にとめていないほど利己的な性格であった。

 ニカがあまりに自己中すぎるため、たまに寮生活をしているニカのところに顔見せにやってくるザハトからは、「もっと人と交流しろ」と小言を言われるが、ニカは煩わしいとしか思っていなかった。


 あるとき、自分の寮に帰る途中で同じクラスのナノカが同級生たちからイジメられている場面に遭遇する。

 その日もザハトから小言を言われ、イライラしてるのも相まってそのイジメを嫌味で蹴散らすと、同級生たちはすぐさま逃げていく。


「ニカちゃん、助けてくれてありがとう!」

「別に。気まぐれでしただけだから、感謝する必要ない」


 ナノカはニカに救われたことで、ことあるごとにニカのそばにくっつくようになる。


 最初はナノカが私生活でも戦闘中でも自分の周りをうろちょろする鬱陶しいやつと思っていたニカだが、だんだんとナノカがいることで生活も戦闘もしやすくなっていることに気づく。

 一緒に戦闘に出るうちに徐々にコンビネーションがとれるようになり、ある日ナノカが弾幕を張ってバグの足止めをして、ニカがそのバグを全て撃ち落としてバグの一小隊を全滅させることに成功する。


 その後もニカはナノカと連携し、ことごとくバグを打ち負かしていく。


 ナノカとの連携により、以前よりもバグの討伐率が遥かに上がり、ニカとナノカの親密度も上がるかと思いきや、あくまでニカはナノカのことを使い勝手のいいコマとしか思ってなかった。

 そのため、ナノカがニカに対して大切な友達だと思っていると言うと「私はあんたの友達なんかじゃない。あんたは私のとってただの使い勝手のいい道具」と言い放つ。

 ナノカがショックを受けてその場を走り去るが、ニカはなぜナノカがショックを受けているのか理解できず追いかけることすらしなかった。


 その後しばらくバグの襲来はなかったが、ある日突然いつもの倍以上の量のバグが襲来する。(ニカによって数を減らされたバグは人類を捕食して得たエネルギーを繁殖に使ってバグの数を増やしていた)


 バグは今までよりも遥かに連携がとれていて、普段であれば必中といって過言ではないニカがことごとく撃ち外して追い込まれる。(襲来がなかった間にニカの行動パターンを学習、バグの思考リンクを共有してることがバレたため対策されていた)


「何で、何で……当たらないの!?」

「ニカちゃん、落ち着いて! 冷静になって!!」

「どうして、何で、私はバグを倒すために……っ! 私が倒さなきゃいけないのに……!!」

「ニカちゃん、一旦ここは引こう!」


 ナノカが弾幕を張って撤退を促すもニカは自分の無力さに絶望してパニックに陥り、自分は何もできない無価値だと動けなくなる。ナノカがずっとニカに対して励ましの言葉を言うも、耳に入らず。

 そして、ニカがバグに取り囲まれて捕まりそうになった瞬間、ナノカがニカを庇って飛び出す。


「ニカちゃん、逃げて!」


 ナノカの言葉にハッと我に返るが時既に遅く、目の前でナノカが捕まってしまう。


「ナノカ!」


 ニカはどうにかナノカを助けようとするが、そのままナノカはバグに連れ去られてしまう。


 自分のせいでナノカがバグに連れ去られてしまったことに絶望するニカ。

 ナノカを救いたいと思うも、どうすればいいかわからなかった。

 ダージスたちにナノカを救いたいと言っても「どうせもうとっくに食われて死んでるだろ」と取り合ってくれない。憤るニカだが、かつて自分も同じような言動をしてたことに気づき、そこで初めて自分の今までの行いを後悔する。


 改めて何もできない自分の無力さを思い知らされ、自分がここまで戦績を上げられたのはナノカのおかげだと気づかされる。また、いつも一緒にいたナノカがそばにいないことに寂しさを感じるニカ。


 ナノカと一緒にいた日々を思い出し、ナノカが自分にとっていかに大切な存在であったかを理解し、ニカはどうにかナノカを救い出そうと藁にもすがる思いで学園を抜け出してザハトのところに行く。

 ザハトにナノカを救い出したいがどうすればいいかと尋ねると、ザハトは「ついてこい」と言ってニカに場所も何も言わずにどこかへ連れて行った。


 着いた先はニカを拾ったという廃墟。

 実はそこはかつてバグを研究していた施設だった。


 中に入ると猛烈な頭痛で蹲るニカ。そこで忘れていた全ての記憶が蘇る。


「私は、元々人間じゃなかった……?」


 ニカは実は元々バグであり、研究施設の施設長であるユダ博士が自身の娘の死体とニカの元となるバグを融合させて作った人造人間であった。

 ユダは娘を殺したバグを憎み、バグがバグによって殺されるという状況を生み出すためにニカを作り上げたのだ。


 バグ時代の数々の壮絶な実験を繰り返されていたことを思い出して嘔吐するニカ。(切り刻まれたり燃やされたり、脳をいじくり回されたり電気ショックを与えられたりした)


 ザハトはこの事実を知っていたが、あえて黙っていた。それは、ニカがバグとしての記憶を忘れたまま人間として暮らしていけるようにとの配慮であった。

 ニカは人類からされた非道を思い出し、人類への憎悪を露わにするも、同時にユダ博士との記憶(ユダ博士はバグを憎んではいたものの、ニカと一緒に過ごすうちに本当の家族のようにニカを愛していた。また、ニカ自身もユダ博士が人類について様々なことを教えてくれることや優しくしてくれることが嬉しくて、ユダ博士のことを慕っていた)やナノカとの記憶(生活力が皆無なナノカのために料理を作ってあげたり一緒に料理をしたり、部屋を掃除した際に出たゴキブリを怖がるニカに対し、素手で掴んで倒すナノカ)も蘇る。


「ユダ博士は確かに初めはバグへの憎悪から、お前に同族殺しをさせようと画策したかもしれない。だが、今のお前はニカだ。バグじゃない。人類が憎いかもしれない。でも、ナノカちゃんを助けたいと思ったんだろ? それはバグではない、人としての感情があるからじゃないか? 過去は変えられない。でも、未来は変えられる。ニカはどうしたいんだ」

「私、は……バグで、バグを殺すためにだけに生まれて……私は……」


 自分は何者なのかと自問自答する。


 人類の敵のはずのバグだったこと。人類にされた仕打ち。ユダ博士との記憶。ナノカとの記憶。自分は何が大切で、自分はどうなりたいのか。何をしたいのか。


 そこで、ナノカが以前言っていた「ニカちゃんは大切な友達」という言葉を思い出す。


「私は、ナノカの友達。だから、助けたい」


 ニカは自分が人間だのバグだの今はどうでもいい。もしかしたら救出後、バグとして排除されるかもしれない。けれど、それでもナノカが救えるならそれでいいと決断する。


 ニカの決断に、ザハトは研究施設の奥へ行き、隠されたバグの情報がある場所へ連れて行く。

 そして、ニカはユダ博士との記憶を思い出し、情報を引き出すことに成功。バグであった能力で情報をリンクさせて全ての情報を網羅するとそこからバグの居住惑星を突き止める。同時にバグの弱点が電撃だということ(雷雨の日は襲ってこないという統計があった)、バグは人類の観察を行い人類の行動パターンなどを把握していることなどを知る(ナノカを連れ去ったのもナノカのようなサポート技術に長けている人類を把握し、攻略するすべを探るため)。

 また、ナノカが連れ去られる前に彼女はニカとの共闘のために自身のメシアの装甲をより強固にしてたことを思い出す。(出撃前に、ニカからのフレンドリーファイアはもちろん、万が一バグに襲われても簡単には突破できないくらい頑丈にしたと言っていた。他にも念のためと言いつつ色々積み込んでいたことを思い出す)


 だから、今ならまだ間に合うかもしれないとニカはナノカ救出に希望を見い出す。

 ザハトは部隊として協力はできないが、ニカが出撃するならその手配はしてくれることになった。


 ニカはすぐさま学園に戻り、格納庫に潜入してメシアに乗り込もうとするが、そこで待ち構えていたダージスにメシアに乗るのを止められる。


「無駄死にするだけだ。お前は気に食わないやつだが、ここで無駄に死なせて今後の戦力を減らしたくない」

「私は死なない。だから、今すぐどいて」


 ニカは今ならまだナノカを助けられるかもしれないから行くと言い張る。ダージスに「お前一人で何ができる。ナノカがもう死んでたら行ったって意味がないだろ」と頑なに反対される。


「ナノカは生きてる!」

「どうしてそう言い切れるんだよ!」

「私はバグだったから!」

「……はぁ!?」


 ニカは自分がバグだったことを含めてバグの生息地や弱点、バグと思考を共有できることなど全て洗いざらい事実をぶちまける。


「お前、何言って……っ!?」

「理解されなくてもいい! 今まで散々あんたと対立してたし、バグの私が言うことだもの、信じられるわけないこともわかる。でも、私はバグだからこそナノカが生きてるってわかるの。だから、ナノカを救いに行く。今ならまだ間に合う。だから、止めないで。絶対に行く」

「なんなんだよ、意味わかんねぇよ」


 ダージスが止めるのを強行突破してメシアに乗り込む。

 ニカがメシアで出撃する際、「今更だけど、今までごめん。協力するのをバカにしてた私が悪かった。あんたの言うことは正しかった」とダージスに謝る。


 ニカが出撃し、一人でバグの本拠地に向かうとバグの本拠地の前の宇宙域に大量のバグが待ち構えていた(連れ去られた人物を救済に来るという人類の行動パターンの学習)。

 弱点である電撃を駆使しつつも、あまりに大量のバグに囲まれ、絶対絶命になるニカ。そこへダージスやクラスメイトたちが応援に駆けつけてくれる。


「ダージス!? どうしてここに!?」

「協力しろって今まで散々お前に言ってたのは俺だしな。ここでお前を見殺しにしたら寝覚めが悪いだろ」

「でも私はみんなが憎んでるバグだよ!? もしかしたら人類の敵になるかもしれないのに!」

「俺はバカだから、いきなりそういうわけわからないこと言われても知らん。てか、お前はお前だろ。バグだのなんだのどうだっていい。そもそも、そういう不利な話を自分から話すやつがここで裏切るとかナンセンスすぎだろ。それから、俺たちはナノカを助けに来たんだよ。思い上がるんじゃねぇ」

「……っ、ありがとう。ダージス」

「まさか、お前から礼を言われる日が来るなんてな」


 ニカがダージスたちと共闘してバグと戦うも、あまりの数の多さに戦況は拮抗し、なかなかナノカがいる本拠地の惑星に行くことができなかった。

 一刻も早くナノカのところに行きたいとニカは焦るも、上手くいかない。そんなとき、ニカのメシアがバグに取りつかれる。ダージスたちも戦闘で手が離せないタイミングで、「ナノカ、ごめん!」とニカが死の覚悟を決めた瞬間、ザハトたちが駆けつけ、ニカのメシアにくっついていたバグを撃ち抜いて引き剥がしてくれる。


「ザハト!? 来ないって言ってたのに!」

「期待させて来れなかったときのほうがダサいからな。サプライズってことで喜んでおけ。てことで、俺たちがここを引き受ける。だからお前はナノカちゃんを救い出してこい!」

「ありがとう! ザハト!」


 ダージスとザハトたちが電磁パルス砲やメシア同士の合体からの荷電粒子砲などを駆使してバグに対抗してる間にニカは惑星本拠地の中心部に向かう。

 そこにはボロボロになって今にも壊れそうなナノカのメシアがあった。

 ニカは情報リンクを使い、バグと思考をリンクしてまだナノカが無事なことを確認すると、メシアの電力を放出して電磁パルス砲を発射、一瞬身動きが取れなくなったバグを一掃したあとナノカを救い出す。


「ニカちゃん、来てくれてありがとう。ニカちゃんが来てくれるって信じてた」

「ナノカが無事でよかった。それから、この前はごめん。ナノカは私にとっても大切な友達だよ」

「ニカちゃん……!」


 自分のメシアにナノカを乗せ、ニカはナノカと共にバグの本拠地を脱出。無事にリユニオンに帰還する。(バグだったことはみんなの協力で秘密にされる)

 バグの本拠地を叩いたことでバグを駆逐することにも成功して、リユニオンには平和が訪れるのだった。

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