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農業の為にあるスキル

 何故かヴァンまで農奴契約して欲しいと言って来たんだけど……。

 なんとなくヴァンをパワーアップさせちゃいけない気がして、はぐらかしてしまった。

 これ以上厨二拗らせたら、黒歴史になっちゃうもんね。


『彼も魔法少女コスの人に言われたくないのでは……』


 ん?スキルちゃん何か言った?


『いえ、何も』


 あれ?気のせいか……。


 さて、今回私と農奴契約をした少女の名前はアオイ。

 彼女の持つスキルは『聖魔法』だった。

 教会の聖職者達が使う回復系魔法の中でも、最上位に当たるスキルで使い手も数少ない。

 王都の教会でも一人しかいなかったと思う。


 そして、アオイと契約した事により、私も聖魔法が使えるようになった。

 つまり——病気になった作物を回復出来るという事だ。

 なんて素晴らしいスキルだろうか。

 結界も張れて害虫対策も出来るから、無農薬で林檎が作れてしまうじゃないの。

 林檎の苗木どこかにないかな?

 そういえば、この世界で林檎食べた記憶が無かった……少なくとも王国では手に入りそうに無いわね。


 それは置いといて、一先ずアオイにはこのUUFO(牛運搬飛行物体)内にいる牛の世話をお願いした。

 今まではスキルちゃんが定期的に地上の草原に放牧して世話してくれてたけど、肝心の乳搾りが出来ていなかったのだ。

 そろそろ牛乳の生産にも着手したいと思ってたところだし、出来ればチーズなんかも作れるといいなぁ。

 一応王国では、テイマーと呼ばれる人達が牛をテイムして牛乳やチーズを生産しているが、ほとんど流通には乗って来ないのが現状だ。

 是非とも生産ラインを確立して、大量生産出来るようにしたい。


 結局牛舎も作らないままUUFOで飼ってる状態だけど、アオイ達には、そのままここで乳搾りしながら生活してもらう事にした。

 というのも、逃亡中らしい2人を外に放置する訳にもいかないし、王国内で匿うのもちょっと問題あるので、絶対に見つからない空中で生活してもらった方がいいだろうとの判断からだ。

 UUFO内はかなり広く、牛が数十頭いても生活スペースは問題無く確保出来るし。

 それに、何かあってもスキルちゃん経由で連絡が入るから安心だ。


 アオイに話をしていたら、結局少年の方とも農奴契約する事になった。

 名前はトウヤ。

 2人とも黒髪だし、前世の世界の名前に響きが似てるから妙に親近感が湧くのよね。


 農奴契約したら、何故かトウヤも契約時に光ってた。

 何だろうあのエフェクト?

 何か特殊な能力でも授かってたりして……。

 そして、トウヤのスキルを見てみて驚愕した。

 マジか!?『成長促進』なんて農業の為にあるスキルじゃん!!

 ……って思ったんだけど、どうやらパッシブスキルのようだ。

 パッシブスキルは自分自身に対して常時発動させておくタイプのスキルである。

 だとすると、やっぱり作物には使えないのかなぁ?

 それはそれで有用なスキルではあるんだけど……出来る事なら農業で使いたいっ!!

 なんとか作物に適用する方法を考えてみよっと。


 一先ず、トウヤとアオイを地上に降ろすのは拙いので、私が生活に必要な物を買って持ってくる事にした。


「お嬢様、入学準備もあるんですからね……」


 何故かヴァンがとても不機嫌だ。

 そんなに農奴になりたかったの?

 農奴になんてならなくても、農業はやらせてあげるのに。

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