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勇者殺しのミミック  作者: 練度
26/30

Re:7 ダンジョンファイト

 ダンジョン徘徊9日目。

昨日から階層を一つ昇って元の通路を探索している。

やはりというべきか、下の階層には出口らしきものは見つけられなかった。


 探索していると腹が減ってくるので、よく黒兎を襲ってその体を丸呑みにしている。

おかけでレベルが1上がり、【吸収】の効果で【跳躍】が1Lv成長し、【体当たり】を2Lvまで習得できた。

スタッツはたまに敏捷が手に入る。


 ただずっと同じ魔物を食べ続けていると【吸収】の効果が薄くなるのか、最近はあまり成長しない。



 ステータスを確認する。


ーーーー[ーーーーーーーーーー]ーーーー

種族:レッサーミミック

状態:普通


-[スタッツ]-

Lv:8/20

HP:59/59 MP:28/28

攻撃:63 敏捷:22 頑丈:39 魔力:35


-[スキル]-

〈基礎スキル〉

【牙強化:Lv1】【聴覚強化:Lv3】


〈特性スキル〉

【ステータス表示:Lv1】【シェイプシフター:Lv3】


〈通常スキル〉

【噛みつき:Lv3】【跳躍:Lv4】【吸収:Lv2】【エコーロケーション:Lv:4】【超音波:Lv2】【体当たり:Lv2】


〈特技スキル〉

【デス:Lv1】【ファイアボルト:Lv1】【聖閃光:Lv1】


-[称号]-

【勇者殺し:Lv--】【聖女殺し:Lv--】【伝説を屠る者:Lv--】【人類の敵:Lv--】【魔物の英雄:Lv--】【擬態者:Lv1】【ダンジョンの厄介者:Lv8】【Dランクモンスター:Lv--】

ーーーー[ーーーーーーーーーー]ーーーー



 攻撃スタッツの値の伸びがいい。

レッサーミミックは物理攻撃メインの魔物なんだろう。


 他の転生物の話じゃよく「鑑定」スキル見たいのが手に入っていたが、俺にはそういうのが無い。


 それが有れば冒険者のステータスを見れるし、ダンジョン内の魔物の強さもみることができればどの魔物が戦っていいのかダメなのかがわかる。


 俺がまだ手を出して無いのは黒ゴーレムと黒蜥蜴、それと第二層で新しく見かけた黒亀と紫狼いる。


 一層にいる二体と戦ってみていいのだろうか。


 他の魔物が争ってるのは見たことがある。

大体黒蜥蜴が兎を追いかけてるところだ。

だが二層目では黒蜥蜴が亀や紫狼に手を出してるのは見たことがない。

勝てない相手だとわかっているんだろう。


 だが狼と亀が戦っていることもあった。

つまり魔物は自分の戦える相手を判別できている。


 何かスキルを使ってるのだろうか?

本能でそれができているとしたらもうお手上げでミミックには何もできない。


 ミミックなんて所詮獲物を待つのだ、本能に相手の強さを見極める機能が無くとも不思議ではない。


 くそう、「鑑定」スキルがほしい。

少なくともモンスターのスタッツくらいは見れて欲しかった。


 しかしダンジョンにいる内にレベルを上げておきたいとは思う。

まだ出口は見つけれてないが、外に出れたら戻る気もない。

外の世界にこんなに魔物が多く生息してるものだとは思わない。

魔物が多く生息するこのダンジョンにいるうちに狩ってレベル上げをした方がいいのでは無いだろうか。




 決めた、黒蜥蜴と戦おう。


 ダンジョンを少し闊歩すれば標的はすぐに見つかった。


 カナヘビのようにしなやかなで、黒曜石のように漆黒の体。

背にはゴツゴツとした背ビレが生えていて、尻尾の先まで続いている。




 都合のいいことに今は一匹だけらしい。


 少しずつ近づき、大きく跳ぶ。

そのまま黒蜥蜴の背に落下…するはずだったが、寸前でスルスルと体を動かして回避される。


 黒蜥蜴がこちらを訝しげに睨む。

こんにちは蜥蜴さん、経験値になれ。

【デス】…じゃダメだった、【ファイアボルト】!!


 その炎を見て蜥蜴の目線が明確な敵意に変わった。

兎達もそうだが、こうして攻撃した後だと完全に敵対される。

一回兎に攻撃してから逃げて隠れて、少し経ってから前に現れたがそれでも攻撃されたので一度認識されるともうその個体はミミックは敵だという思考が残るのだろう。


 蜥蜴は炎を避けようとするが、完全回避は失敗し背中の一部が焼ける。


 やっぱり【ファイアボルト】は威力に欠ける上、これでそこそこMPを持ってかれるのはあまり燃費が良くない。


 やはり物理攻撃出ないと決定打は与えられない。

【デス】でもいいのだが、あれは経験値が手に入らないし、さっきの俺の不意打ちを躱せる機敏さがある蜥蜴に当たるとは思えない。


 ミミックは攻撃力が高いが素早さは低いスタッツだ。

そして蜥蜴は素早さに寄ってる。

単純な物理での殴り合いでは蜥蜴の方に部がある。

俺が普通のミミックだったらな!


「キュアァッ!」


 蜥蜴が鳴き声を上げながらこちらに駆けてくる。

それに合わせて後ろへ【跳躍】、蜥蜴もこちらを睨みながら追うように飛び掛かってきた。

俺はそれを見て即座に口を閉める。


 ここだ、【聖閃光】!


 箱のほんの隙間が白く塗られる。

光が収まってから口を開けて黒蜥蜴を確認すると、地面に落ちて目を掻いたり押さえたりして悶えてる。


 鋭く睨まれていた蜥蜴の目線に強力な閃光で刺し返してやった。

地面に落ちてから蜥蜴に口を開けて飛びかかる。

そのまま体に齧り付き、牙を深く差し込む。


「ギュイイィッ!?」


 蜥蜴はさらに動きを激しくじたばたするが構わず力を込めて、ついに体を食いちぎった。


 その時点で蜥蜴は事切れる。


《レベルが8から10に上がりました》

《ステータスが上昇しました》

《スキル【体内収納:Lv1】を習得しました》

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