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第4話 気づいた気持ち

ようやく過去シリーズ小説の主人公が出演致します(*^^*)


もしかして、もしかしたら…私…


室長の事…好き?なのかな…


……………


(!!!!)


一気に顔に熱が集まる。あり得ない!そんな筈ない!


チラリと室長の方を気づかれないようにそっと見る。

あの無機質な…表情のない室長。


(〜〜っ!)


バッと目線を戻す。自分の顔が真っ赤になってるのが分かる。

いやいやいや…。


これ、…確定?




✽✽✽


「真紀子、…真紀子!」

「!え?あ、由紀?どうしたの?」

「ずっと声かけてたのに。ランチ、行こう?」

「え?あ、もうそんな時間?」


あれからずっと室長の事をぐるぐると考えてしまって、気づいたら午前中が終わっていた。


「…真紀子?歩き方変よ?」

「え?」

「…なんか、カクカクしてる」

「えええ!?」


好きかも?と思うと意識してしまう。逆に意識し過ぎて、どうしたら良いか分からない。


「何かあった?」

「う、うーん」


自社ビル近くのデパート内で、本日のランチ。

この気持ちを由紀に伝えるべきか…。


「今日さ、CEOの来客にお茶出ししたの」

「うん」


由紀が先に話し始めた為、一旦聞き役に回る。


「コーヒー下げに行って、シャンパングラスのお礼言ってたら室長が登場してさ」

「…うん」


…なんか、続きが分かったかも。


「めちゃくちゃ怒られたからね!もう、最悪!」

「…」


想定していた通りの話に返す言葉がない。


今まではそんなに気にしなかった室長のいつもの話も、何故か今はあまり聞きたくない。

それどころかなんとか釈明したくて、次の言葉を探っている。


「…あのさ…」

「もう、ほんと鬼だよね?鬼!パワハラだよ!」

「…う」

「鬼もさ、鬼の直属上司と話してる私を怒る権利ある?あり得ないわよね?…真紀子?」


いつもなら相槌をうつ私が黙ってしまった為、由紀が私を伺う。


何か返事をしないと、と思う以上に、気づいてしまった。

自分の気持ちに。



…私、やっぱり室長の事好きなんだ。



昨日、厳しいだけじゃない努力してる室長を見てしまったから。私のミスのフォローで、さらに残業させてしまったのに、何も言わない室長を知って…


好きになってしまった。


「真紀子?顔赤いよ?」

「由紀…」


どうしよう、由紀に伝えるべき?由紀は室長の事を良く思っていないのに。


どうしよう、どうしよう、どうしよう。

あの室長相手だ、絶対片思いで終わる。


…それなら


「…今度会議だね」

「そうだね、いつもピリピリムードの重役会議!」

「お茶出し頑張ろうね」

「そうそう、私左側から行くから、真紀子右ね」


いつまで続くか分からない片思いを前に由紀に伝える気にはならなかった。今だって自分が信じられないし、好きよりも恐怖の方が強い…し。


「うん、テキパキしようね」

「お、いつもより燃えてるな〜」


燃えてる…かも。いつもミスしてばかり、怒られてばかりだから、挽回したい。せめて、室長に迷惑かけないようにしたい。


それは…今までの恐怖から来る気持ちじゃない。




✽✽✽


後日、重役会議始まりテキパキとお茶を出した。

そして会議が終了し、片付けの為会議室にやってきた。


「お茶ありがとう。ご馳走様でした」


重役方が退出した中、最後に残っていたCEOが声をかけてくれた。我社のCEOは34歳と若く、還暦越えやそれに近い重役達と違い腰が低い。癒し系男子?


CEOの秘書は室長が担当されている。


「木崎さん、この前は悪かったね。黒崎くんには僕から弁解したから」


CEOが由紀に話しかける。

突如でた室長の話に、私は大きくなった鼓動を抑え聞き耳を立てる。

この前の…というのは由紀がシャンパングラスのお礼をしていたという件だろう。


「いえ、こちらこそ長話になってしまい申し訳ございませんでした」


由紀は秘書然とした落ち着いた物言いで返している。


「黒崎くんも人一倍仕事してくれてて、僕も頼りきりだったから今度から気をつけるね」


秘書課の中で室長の事をよく言う人は少ない。その中で我社の一番トップが室長をフォローしてくれた。


(ナイスCEO!ありがとうございます!)


私はカップを片付けながらCEOの話に心の中で同意する。

これで由紀の中での室長が良い人になると良いな。


「CEO優しいですね!婚約者さんもさぞ幸せでしょうね」

「そうだと嬉しいね」


最近婚約したCEOと新婚の由紀。いいなー。

なんか重い会議室の雰囲気が一気にお花畑化した気がした。



――コンコン


「はい?」


会議室の扉がノックされ、CEOが応えると扉が開き室長が現れた。


「CEO、戻って来られないと思ったらこんな所で油売ってたんですか?」


突然現れた室長にドキッとして、つい背を向けてしまった。

しかし、全神経は背中に集中している。やはりドキドキと鼓動が早くなる。


「社長といつもの会議後の話し合いだよ」

「その社長も社長室に戻られたのに、CEOが戻って来ないものですから」

「…」

「…早く戻られて、決済を回して下さい。次が詰まっています。」

「すぐに戻って取りかかるよ。二人ともお茶ご馳走様でした、あとは宜しくね」

「「お疲れ様でした」」


――パタン


CEOと室長が会議室から出て行き、会議室には私と由紀の二人きりとなった。


「…あー、焦った。突然室長到来!びっくりしたね。ね、真紀子」

「うん…」


まだ、室長に向けていた背中がピリピリと熱い。

まだ、背中に室長を感じてる。



どうしよう。…やっぱり好き。


ご覧いただきありがとうございました。

ようやく過去シリーズの主人公が出て来ました(*^^*)

最近婚約したCEOのお話は

〝一生に一度の素敵な恋をキミと〟にて!

由紀とCEOの会話に入ってきた黒崎室長は上記作品の中の

第2章の第8話 一分一秒でも早くあって抱き締めたい

にて!


こちらもどうぞ宜しくお願い致します(*^^*)

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