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第10話 CEO夫妻との飲み会のはずが…?

翌日、CEOの自室に呼ばれOKの返事を頂いた。


「いいんですか!?」

「うん、金曜日宜しくね」


4人で飲み会が決まった!どうしよう、楽しみ!



✽✽


「へー、CEOと奥様と飲み会かー。いいなー。ちょっと気になるよね、CEO夫妻」

「うん!もう野次馬根性剥き出しで妄想が止まらない!」

「真紀子、目、怪しいよ」

「へっ!?」


由紀に指摘されて慌てて顔を引き締める。

ここは給湯室。今はまだ仕事時間だ。


「まー、CEOの事だから家でも優しくて奥様にもジェントルマンなんじゃない?」

「そうだよね。大人!って感じだもん。なんかスマートな感じかな?」

「ケンカとかしなさそう」

「確かに!」


あの非の打ち所の無いCEOのプライベート…。

妄想が楽しい!


「さ、仕事戻ろー。雑用終わらせないと」

「せいぜい頑張りたまえ」


給湯室トークを終わらせ由紀と共に仕事に戻る。


(お店決めよう!楽しみ!)



✽✽✽


――カチカチ


パソコンに向き合い、お店を検索する。


(いつもCEOが行くような小洒落た所じゃなくて、打ち解けて、酔っ払って、夫婦生活を聞き出せそうな所を…)


「…なーんだ、熱心に仕事してるのかと思えば飲み屋探しか!」


…。


この声は…


「塚本部長!」

「ちーっす!」


営業部長にパソコンを除き込まれていた…!


「勝手に除き込まないで下さい!」


なんてデリカシーの無い男なのよ!


「室長に怒られるぞー」

「言わないで下さい!」


今、私のダーリンはCEOの会議に同行中。


「どっか良いとこあった?」

「うーん、中々…なんせCEOと奥様と行く所なんで…」

「えっ!?CEOと奥さん!?」

「え、…はい」


驚く塚本部長


「なんつーメンツ!俺も誘ってよ!」

「後は私と室長ですから」


ラブラブカップル二人組よ。


「えーじゃあ俺も友田さん誘って参加しようかな」

「だ!だめです!友田さんは禁止!」


それは修羅場と化しそう…!恐ろしい!


「分かった分かった。じゃあ店選びは俺に任せなさい」

「は?」

「また店決まったら連絡するなー」

「へ!?」


(何!?一体どういう事!?)


塚本部長はそう言って戻って行った…


え?お店を探してくれるって事?まさかもう塚本部長も入ってるとか?


え、え、えー!?



✽✽


金曜日、飲み会当日…


「ちーっす!」

「お疲れ様です」

「楽しみです!」

「…お疲れ様です」


…。


上から塚本部長、営業部の高田さん、ももちゃん、直くん…


「…4人じゃなかったんだね」

「…」


私が聞きたいです、CEO…


「妻の愛子(ちかこ)さん」

「はじめまして…」


奥様はやはり萎縮してしまっている…。どうしよう。


「どーもー!いやー!会えて嬉しいっすね!」

「塚本くん、近くにより過ぎ。接触禁止」

「えー?ケチー!CEOのムッツリー!」


近くで奥様の顔を覗き込む塚本部長をCEOが止める。


「戸塚」

「はい!」


私は最愛のダーリンから声をかけられる。


「どうしてこうなった」

「私が聞きたいですー…」


室長のやや怒っている声にげんなりとする。

プライベートタイムを獲得したのに、まさかこんなに職場の人間が増えてるとは…


「さ、店に入りましょー!さささ、こちらですよー!」


塚本部長が先陣を切って歩き始めた。





塚本部長が予約してくれていたお店に到着。


奥から奥様、CEO、直くん、ももちゃん。

向かい合って奥様の前に私、室長、高田さん、塚本部長という並びだ。


4人が何故か8人に…。


「直くん達も来たんだね」

「塚本部長から声をかけて頂いて…」

「違うよ、直くん!無理やり!強制的に!人数に入ってたんだよ!」

「…塚本くんー?」

「わはは!コンプライアンスっすかー?」


CEOのじっとりとした声もどこ吹く風。一人テンションの高い塚本部長。


「高田くんも来てくれたんだね」

「あ…はい…」

「無理やりじゃなかった?」

「いえ!」

「いやー、戸塚ちゃんが相方がいないと駄目だって言うから女の子探してたんすけどねー。CEOが絡むと高田が行きたいって聞かなくて!」

「塚本部長!」


CEOに声をかけられてもじもじしていた高田さんが塚本部長をキッと牽制する。


「そっか。ありがとう高田くん、嬉しいよ」

「あ…こ、こちらこそ…」


高田さんににこやかに微笑んだCEOに照れたのかますますもじもじする高田さん。


まあ、何はともあれ飲み会の開始だ!


「皆さん何飲みますか!?」


この主役級のメンツを前に脇役感満載の私はいそいそと下働き。


「あ、僕達はウーロン茶で。直くん達は?」

「俺と百子もウーロン茶で…」

「えー?CEOがウーロン茶!?」

「塚本くん、うるさい。黙って。高田くんは?」

「あ、わ、私はビールを、」

「CEO酒豪じゃないっすかー!奥さんの前でカッコつけて、このこのー!」

「塚本くんもビール?黒崎くんと戸塚さんも乾杯はビールだったよね?」


私が幹事として動こうとしたらCEOが率先して動いてくれている…


ダメダメ!私が誘ったんだからここは私が…!


「――以上でお願いします」


…と思ったらさっさとCEOがウエイターさんにドリンクを注文していた…。


「いーや、ウーロン茶一つ減らして、ビール一つ追加で!」


と、思ったら塚本部長が訂正をした。


「久しぶりじゃないですかCEO。昔みたいに飲みましょうよ」


…まだお酒が出てきていないのに、目の座った塚本部長がCEOを見据えていた。


「俺がまだCEOの下で営業やってた時、接待で一緒に飲みまくって顧客獲得してたッスよ!」


…私が入社する前CEOは営業部の社員だったそう。


いったいどうなるの!?

本当のCEO夫妻の関係はシリーズ【一生に一度の素敵な恋をキミと】にてご覧頂けると嬉しいです♪


さて、ここに来て出てきた高田さん!

どのお話に出ているかというと【直くんとももちゃん、初恋の行方。】の第三章 歓迎会①〜登場しております!

↑上記作品でももちゃんが言ってた夢がここに来て実現しました(笑)

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