反逆の狼煙を上げろ
光の球と弾となったルナは形を変え、長剣の形をとり光を弾けてた。
オレの右手に白銀の長剣が握られる。
「我が主どの、正気か?」
ネベラが下した命令に問う。本気で言っているのかと――本気で国王に抗うのかと。
聞くまでもないだろ、当たり前だオレは離れたくないお前たちと。
「ネベラ、フォーメンションAだ」
強引に言うオレにネベラは肩をすくめる。
「まったくお主というやつは・・・」
言って、ルナと同じように光になり球状に形を変えそこから更に武器の形へと変わる――金に輝く太い刃の反った太刀へと姿を変えた。
オレはそれを左手で取る。
右手は長剣。左手は太刀。どちらも片手で扱うような代物ではない。アンバランスな装備。
重さについては感じない。概念武器でしかない彼女たちの重さはオレの思いのままになるのだから。
「ルーチェほら乗って」
そして、オレは二つを両手にしゃがむみルーチェに優しく言い。首にしがみつかせ背に乗せる。
「タクミさん・・・」
「じゃあな」
クラリア姫に挨拶をする。最後の――お別れだと。オレはもう勇者じゃないただの反逆者になる。
「その者を捕えよ!!」
出口に向かって走り出したオレの前に、国王の合図でアーチ状に並んでいた兵士が立ちふさがった。