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チートかよ
「チートかよ」
明らかにありえない力に言い捨てる。
「どうだか。魔王を倒した勇者なんだろう?まだ本気でもないだろうに。まあ、そんなことどうでもいいか・・・。あっちは終わったようだからな」
迷子の勇者が言って、ルナ達の方を見た。
そうだ、ルナだ。
さっきの叫び声は――。
ルナの方をオレも見ると。
「ルナ、ルーチェ!」
傷だらけで、血を流しているルーチェを抱えルナは膝を落していた。
金髪の女の子はそれをただただ見下すように眺めていた。
「フィー片方でいい捕まえろ」
「はい」
迷子の勇者に言われた女の子はゆっくりと歩きだし、ルナたちに近づき始める。
捕まえる・・・くそったれ!
助けに移行も、不用意には動けない。
またさっきの様に突風を撃たれてしまえば動けなくなる。
けれど、阻止しないとっ。
頭では分かっているが、不用意にオレはルナの元へ駆けつけようと、対自する迷子の勇者の目の前を駆け出す。
が――。
「悪いな」
ブオオオオオオオオンッ―――。
突風がオレを襲う。
「クッソ」
その場にうずくまり、飛ばされないよう踏ん張り動けなくなる。
「ルナ!」
ゆっくりと歩いていた女の子がルーチェを抱きしめるルナの前にたどり着く。




