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魔法の剣
もう一度。
太刀を振り上げ。
「劫火獄炎――火車切り!」
炎の車輪を撃ち放つ。
――ボオオォォオ!!
車輪が回転し迷子の勇者へと襲い掛かる。
して、瞬間。目の前に迫り覆い隠した炎は。
――っ。
いや、炎だけではない、オレともども辺りを巻き込み突然突風が襲う。
強い強い突風が吹き荒れる。
なんだ!?
周囲の木が風にざわざわと泣き、砂埃が舞まって、竜巻が通ったようなようにさえ覚え、あまりに強い風に目も開けられず、耐えきれずその場にしゃがみ、飛ばされないように踏ん張った。
次第に風は緩やかになり、オレは目を開け立ち上がり、目の前に居る迷子の勇者を見た。
「くっそ」
見てオレは吐き捨てた。
迷子の勇者を中心としてオレの方へ風が通った一直線のラインができており。
その先にいる、迷子の勇者の手にはエメラルドグリーンとメタリックブルーで美しく螺旋のように着飾った、太身の長剣が握られて、その剣先をオレの方へ向けていた。
何本魔法の剣を持ってるんだよっ。
横目にさっきのクリスタルの剣を確認しようと見るも、あの突風で吹き飛んだのかそれとも消えたのか知らないが、消えていた。
あの男はこれで二本の魔法の剣を持っていることになる。
最初、一本目の剣をどこからともなく出したのに驚いたのには訳がある。




