もう終わり?
あんなに余裕で一撃目を止めていたのにもかかわらず、後ろに飛び引いたということは受けきれなかったということだ。
だから、この状態ならいける、そう確信して大釜を振るう。
一打、二打、三打、四打、五六七八――――いろんな角度から黒のオーラを纏った大釜を振るいそれが、ナイフで逸らされながら避けられる。
魔力を通しているから受け止めれないのか・・・魔力が刃として襲い掛かってくるのを警戒しているのかは分からない。けど、今はただ、押すだけっ!
女の子はゆっくりと押され後ろに下がっていく。
このまま打ち込み続ければ届く!
確信したその時だった。
「っ――はっ」
振り回していた大釜が苦しむ声を漏らす。
ルーチェ?
不審に眉をひそめた私に女の子の口元が微笑した。
なに?
不審に思った、けれど・・・今攻撃の手は緩めれない。
更に私は速度を速め、攻撃を繰り返す。
「はああああああああっ」
雄たけびを上げ大釜を振う。大きく振り上げ、勢いよく振り下ろす。
くらええええええ。
ガキンッ――!
しかし、ソレはナイフで弾かれ飛ばされる。
おかしい、なんで一撃も通らない、なんで入らない。
なんで・・・。
「はあはあはあ・・・」
おかしな違和感に、攻撃の手を一度止める。
上がった息を整える。
「あらら、もう終わり?」
笑い、言う女の子。
すごくムカつく。
「あっ・・・くあ・・・」
「ルーチェ?」
苦しく声を漏らした、手にしている大釜を見ると、いたるところに切り傷のような黒く光る傷があり、そこから黒い粒子を垂れ流していた。
そして――ついに。
「ちょと!」
ルーチェは光を纏い、光の球になってそこから元の幼女の姿に戻ってしまった。
「ごめんなさい・・・」
幼女の姿に戻ったルーチェがルナにもたれるように倒れる。
私に持たれかかったルーチェは体全身にいたるところに切り傷があり、そこから血を流していた。
「あらら、もうギブアップか」
その様子を見ていた女の子は、小さくそう漏らした。




