フィーたちも始めようか
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タクミが横で戦い始め、剣劇が交わり、金属と金属が合わさってなる独特の響きが何度も聞こえる。
それに私は目を向けることもせず、目の前の女の子を睨んでいた。
「ルナちゃんだっけ?フィーたちも始めようか」
打ち合い始めた二人を横眼に見て、私の睨む、長い金髪に蒼眼の女の子は笑って言ってみせた。
持っているのはナイフ――大釜のリーチなら圧倒的に有利、なのになに?この少しでも近づいたらあのナイフで刺される予感は・・・。
足がすくんだわけでもない、怖い訳ではない。けれど、私は動けなかった、薄く笑うこの女の子を前に、自分からは動けないでいた。
けど――止まっているだけでは勝てやしない。
私は、覚悟を決め飛び出す。
問題ない、リーチはこちらの方が長い。
確実に有利なはず。
そう心に決めて大釜を飛び出し横に振るい。
振るわれた大釜は女の子の首を弾こうとソレを狙う。
けど――、
ガキンッ!?
大釜の刃は彼女の首を刈らず、その寸前で動きを止める。
受け止められた!?
女の子が右手で持っていた、ナイフで大釜を受け止めたのだ。
それも、片手で。
サファイヤの刃は自分の首が刈られる寸前で大釜を受け止め、ソレを抑えていた。
振り切れない⁉
片手で止められているはずなのに、両手で振り切ろうとするも硬い石に押さえつけているようで、まったく動かなかった。
「魔力ってこういう使い方もあるんだよ」
スパッ――。
「ひゃうっ」
「このっ」
止めていたナイフを振り上げ、大釜が弾かれ、私は後ろへとよろめく。
そして、弾かれると同時に、ルーチェも何故だか小さなうめきを漏らしていた。




