勇者驚く
よくよく考えても納得なんてするはずがない。
封印されるってことは自分のパートナーを無理やり奪われるってことなんだから。
「国王。それで他の契約者はどうしてるです?まだ伝えてないんですか?」
少なくともこの国には僕を除き他に三人の契約者が居るはずだ。彼らが納得するとは思えないが・・・。
「いや、伝えた。魔王を倒したのちすぐに決まったことだからな。そして、既に封印済みの物もいる。タクミよ、お主は魔王を倒した実績もあったのであえて少しゆうよを与えたのだ。お主とてすぐ別れろと言われてもそれは難しいであろう?」
なるほど、それでこんな中途半端なタイミングに・・・。
けれど、だとしたら余計疑問が出てくる。他のものは本当に同意したのかと。
「それで――納得したんですか?ほかの奴らは?封印を」
「無論、納得しなかった者もいる。そう言った者たちは捕えたのち無理やり封印することにさせてもらった」
「は!?」
驚愕で、おいおいそりゃないぜ、なんてそんなクールになれない。なにを考えてるんだ国王。そんなことしたらいいと思ってんのか。いくら一国の王でもいくらなんでも横暴すぎる。
「本気ですか?本当にそんなことを」
「ことは一刻を争う。少しでも残せば争いになりかねん」
「けどそんな無理、かりにでも魔王の軍に立ち向かった英雄達をそんなつかいするんですか!?」
そうだ、あまりにもひどすぎる。
世界を救ったのにそんなこと。報われない。利用されて捨てられたもんだ。
そんなことをすれば国王の尊厳にもかかわる事になる。
そこまでしても無理やりすることなのか?