いじめられるかもしれない
「仕方ないわ。お前、見つけたら知らせなさい」
唐突にオレへ振られる。
「いや、見つけるもなにもどういう人間なのか分からないなら探しようがないんだが?」
知らない人間なのだから手掛かりもなしに探しようもない。
というより、まだOKもだしてないのだが・・・。
「会えば分かるわ」
あえばって・・・。
「えっと・・・、黒のコートで左腕がないから。あと、金髪のルナちゃんぐらいの子を連れてる」
乱暴に言い放つエリザベートの代わりにエリーゼがゆっくりと説明する。
なるほど、片腕がなくて子供を連れているやつなんてそうはいない。街でちらっとでも見かければすぐに分かる。
会えば確かに分かるな。
「分かった」
「タクミッ、こんなつの頼みなんか受けるの!?」
ルナがもう反発をする。
「まあ、特にすることもないしな。街にいる間、見かけたらでいいだろう」
「聞かなくてもいいのに」
ルナがぶつぶつとつぶやいている。
「頼んだわ。私たちはここにしばらく居るから。ほら――探しに行きなさい」
「あ、ああ」
言われてオレはルナを降ろし立ち上がる。
他の二人も席を立ち、外へと出ようとする。
「あ、まって――」
そこでエリーゼがオレを止めた。
ん――?
「あなた勇者なんでしょ?」
「そうだけど?」
「だったら、もしその人にあったらきおつけて。虐められるかもしれない」
虐められるって・・・。どういう状況だよソレ。
「分かったよ」
言ってオレ達は外へ出た。




