何やってんだオレは
突然の事で理解できなかったが、すぐさまオレは我に返りネベラをなんだと睨む。
「怒っておるか?じゃがな、ワシはお主より怒っておるぞ!ワシの惚れた男はこんな大切な事をすら忘れてしまう男じゃななかったとな!殺したいぐらいに!」
睨むオレにネベラは怒鳴りつける。
大事な事を忘れる?
「なんなんだよ。まあいい、それより今は早くルナを追わないと」
そうだ、あのまま行かせるのは危険だ。
「ならん」
立ち上がったオレの前にネベラが両手を広げて立ちはだかった。
なんなんだよ。
「今のお主を、向かわせるのはルナが可愛そうじゃ」
「可哀そうって、なにが?」
ネベラが言うことが俺には理解できなかった。
何言ってるんだ。
「我が主どの、お主本当に忘れているのか?」
「何が?」
ネベラが何を言っているのか分からない。
「なにって・・・」
ネベラが答えるのが躊躇すると、
「ルナちゃんの剣はおにいちゃんが上げたんでしょ。契約の時、これは契約の証だって。分かるよね?おにいちゃん。ルーチェたちにどれだけ契約が大切な事って。その契約の証って――ルナちゃん自慢げにルーチェに言って大切にしてたんだよ、なのに、なのに・・・そんなこと言うおにいちゃんなんて嫌いだよ」
ルーチェがいい涙目でオレのことを嫌いと言い放つ。
言われてオレは気づき、いや、思い出して頭を片手でかきむしる。
あー、もうっ!
オレは立ちふさがるネベラの肩に手をかけて。
「どけネベラ――だったら、なおさら今追わないとだめだ。短剣を返しにもらってくる」
ネベラを押しのけ、オレはそのまま出口へと走った。




