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ご注文は・・・
奥の開いているテーブル席へと並んで三人を座らせて、オレは三人と向かい合うように座る。
朝食をまだとっていなかったので取ろうとメニュー表を取る。
「おにいちゃん・・・手紙は?」
「後で焼いといてくれ。どこで情報が洩れるか分からないから」
メニュー机の中央に広げて言う。
「分かった」
そう言ってルーチェは大きな真っ黒の古びた本が顔を出しているポシェットに入れた。
「それより、ここで食べるの?」
ルナが嫌そうな顔をしていう。
まあ、気持ちは分からなくもないが。
ギルド連合商会の建物に居る全員がこちらを見ている。
一階、吹き抜けで見える二階の人間すらもオレらの事を見ていた。
もちろん、オレが見ている奴らの方へ顔を向けると顔を逸らす。
「気にするな」
「無理でしょ」
「無理じゃな」
ルナとネベラ二人して突っ込まなくても。
ルーチェはこういうにはうといのでポカーンとしている。
「大体、聞けば聞くほど嫌になるわよ。ぐちぐち嫌味を言われて」
「あ、すいませーん。これとこれとこれくださーい」
文句を言うルナを無視して、取り合えず通りかかったお姉さんに注文を頼む。
「ちょっと!」