国王に感謝される
オレが魔王を倒して数日後、平和にのんびりと幼女三人と暮らしていたオレに国王からの呼び出しが掛かった。
今まで魔王がどうのこので、命を賭けたりとかして忙しかったのだからもうちょっとのんびりしてもいんじゃないかと思いながら、オレは彼女たちと主に国王の元に顔を出した。
「なんですか国王」
オレたちは全員膝を付き、国王の間で多くの兵が見守る前で国王へと頭を下げる。
「うぬ。そう硬くならなくてよい、いつも通りで」
白髪の真っ白な髭を生やした老人、けれどどこか強い感じがする玉座に座る国王は言った。
「そうか」
オレ達は立ち上がる。
「それで、国王何か用ですか?」
言われたようにフランクに聞く、この態度については本来無礼に当たるが、オレと国王の間ではもはや今更なので誰も突っ込みはしない。むしろ、逆にオレがこの国王に対して敬語喋っている方が違和感を感じるぐらいだろ。それぐらいの仲という訳ではないが、それすらもゆるすぐらいこの国王は心が広く、大きな人だった。ただそれだけだ。
「すまんな――突然呼びつけて。おおよそ予想はついているだろうが、魔王の討伐についてだ。まず先に、礼を言う――異世界より訪れし勇者ニユウタクミよ、そなたの働きで、長らく続いた魔王の支配から我々は解放されることができた。1年程でよくぞ呪われたこの世界を救ってくれた。この通り――礼を言う」
そう言って国王はオレ達に頭を下げた。
「やめてください、国王に頭を下げられるなんて後が怖い」
「ああ。だがおかげ救われた」
一度上げた頭をもう一度国王が下げると回りに立つ兵士達もオレ達に頭を下げる。
なんだこの状況は。なんたか照れくさく後ろの三人を見るも三人とも笑っている、それが余計照れくさく感じる。
「――はあ」
ポリポリと頭をかき溜息を一つ。
「頭上げてください、すごい恥ずかしいです」
言うと、国王は頭を上げ話を切り出す。
「そうか――して、タクミよ」
「ん?」