ギィ――
「え……な、なによ?」
ジッと見つめるオレに、ルナが恥ずかしそうに頬を赤らめる。
「取り込み中悪いが、俺たちはもう行くぞ」
見つめ合うオレとルナを見かねて、ローゼンが言った。
「あ……。ちょっと待ってくれ」
エリザベート、エリーゼ、フィーの元へ歩くローゼンを引き留めた。
「なに?」
立ち止まり、ローゼンが訊く。
オレは立ち上がって、ルナのことはネベラとルーチェに負かせ、
「行くってどこに行くんだ?」
訊いた。ローゼンが問い三人の元で足を止める。
「どこって、次の世界にいくんだよ。これだけ世界に干渉してしまった以上――俺達もただでは済まない。あの世で言ったろ?俺たちはこの世界の人間じゃない。下手に介入して、物語を変更させればそれだけ俺たちにも不都合があるって訳だ。だから――時間切れだ。これ以上、長居はできない。特に今回はやりすぎた」
答えると、ローゼン達の後ろに、扉が一つ、眩い輝きと共に、神様の世界で見た、赤、青、黒、白、黄色の薔薇がステンドグラスのように貼り合わされた扉が姿を現す。
扉は、ギィ――っと音を立てて開くと、そこには水銀のような白銀の液体がドロドロと渦巻く世界が部屋が姿を現す。