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魔物の襲撃
「いつからウチの国王は魔物使いになったんだ?」
薄暗い森の中から、うなり声を上げ赤い瞳を光らせてワーウルフ(犬型の魔物)の群れが姿を現した。
数は1、2・・・少なくとも20頭はいる。
数が多い、城の中のように無視するならまだしも、こいつらは逃げてもどうせ匂いを嗅ぎ付けて追ってくる。
倒さなくてはいけない。
まあ、空腹のルーチェにはちょうどいい獲物だ。
「今日の飯はあれだな。フォーメンションB」
「うん・・・」
「ほいな」
それぞれルーチェをとネベラが光の球へと姿を変え、武器へと姿を変え。
漆黒の日の光を反射するメタリック、悪魔が使いそうな大きな大釜へと姿を変えた自分の身長の倍以上あるルーチェをルナがずっしりと両手で握る。
金に輝く太い刃の反った太刀に姿を変えたネベラをオレが手に取る。
「来るぞ――できるだけ形残しとけよ。後で焼いて食べるんだから」
「分かってるわよ」
オレとルナはワーウルフの群れに飛び出した。