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全部?
オレの問いにフレデリカは顔をひきつらせ、そして――動向を大きく開け咆哮する。
「どうして?――すべてあたなのせいよ!全部、全部、ぜえええええええんぶ!!」
全部?
「それは一体……」
「<<爆発>>」
フレデリカが唱えると、腕を掴むオレとフレデリカの間に赤い光の球が姿を現し、
これは――、
オレは瞬時に危険と判断し、フレデリカを離し飛び引いた。
その瞬間、オレ達の間で小さな爆発を起こした。
小さな土煙が舞う。
危なかった……。
飛び引き、小さな爆発に巻き込まれなかったオレは、その危うさに冷や汗を流す。
「この……」
「………」
土煙が緩やかな風に流れ、消えると、そこには爆発をモロに受けたフレデリカが居た。
彼女は爆発を回避することなくその場に居たせいで、まともにうけ、着ていたドレスは爆発に焼け黒く焦げボロボロになり、黒く焦げた右手はだらりとして血を流していた。
爆発の威力が小さかったのが幸いて、死に至る程ではなかったものの、明らかに、彼女は重傷と言える傷を負っていた。