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おにいちゃん・・・おなかすいた・・・
オレがこれからどうするかなんとなーく考えていると、ルーチェが服の裾を引っ張て来た。
「ん?どうしたルーチェ」
しゃがみ、ルーチェの身長に合わせて聞く。
「おにちゃん・・・お腹すいた・・・」
ああ・・・。
ルーチェは燃費悪いんだったな。魔法自体が強力なため、その分魔法を使うとその分お腹が減るんだった。
「何か食べ物もってないか?二人とも」
オレは何も持っていないので二人に試しに聞いてみた。
「飛び出してきたんだからあるわけないでしょ」
「持っておらんわ」
まあ、当然なへんとうだろう。もともと国王の話を聞くだけに言ったから何も持って言っていなかったからな。
だからまあ、食べ物どころか金すら持ってきていないわけだし。
かと言ってお腹を減らしたルーチェをそのままにしておくわけにもいかないのだが・・・。
「――ん?」
ネベラが狐耳をピンッと立て、鼻を鳴らして何か嗅ぐ。
「どうした?」
「我が主どの、どうやら食べ物についてはどうにかなりそうじゃぞ」
「は?」
・・・・・・。
言われ神経を集中させ、来た側の森の向こうを――なるほど、こいつはタイミングのいい。
というより、良すぎる。