あー、ルーチェかわいい
「分かった」
今すぐにでも行きたい気持ちもある。だが――その前に、そのために、まずは自分を治すところから……。
「治るまでワシがお主らの面倒をみる。それまで主どのもルーチェも安静にすることじゃ。よいな」
念を押すように、オレへの同意を強く求めるネベラ。そこまでオレは信用されてないのか?
「ああ――心配すんな、しばらく大人しく寝てるよ。ルーチェもそれでいいな」
聞くと、ルーチェはどこか寂し気な顔をしたが、撫でてやるとしぶしぶ頷いた。
「そうと決まればルーチェ、一緒のベッドで寝ようなー、ほらおいでー」
ベッドに寝ころび、掛布団を開けてそこへルーチェに入るよう促す。
ルーチェも、うんと頷いて、入ってくる」
「ルーチェは可愛いな~」
そして、ギューッと抱きしめる。
傷口から痛みを感じるがそんなの関係ない。
ルーチェの柔らかく細い体は少しひんやりして気持よく、抱き心地は最高。なんというかもうずっとこうしていたい。
「我が主どの……お主は本当にぶれないのぉ」
オレの行動を見たネベラが、ぴくぴくと眉を動かし、くしゃけた顔して呆れて言った。
「ルーチェ」
「おにいちゃん」
あー、ルーチェかわいい。
ネベラの反応もつい知らず、オレはルーチェを抱きしめた。
それを見て、ネベラは深いため息を吐いて、落胆した。