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行くのか?
覚悟を決めた顔をしたエリーゼの周りに、蒼、緑、赤と言ったカラフルな大小さまざまな宝石が光と共に現れ、彼女の周りに浮遊する。
「………」
「………」
二人がにらみ合い、重い緊張感のある空気が流れる。
そして、
「……分かったわよ!」
先に折れたのはエリザベートだった。
エリザベートは、投げやりに言い放って、肩を降ろした。
「お前と本気でやり合えばそこれこそ、この世界が吹き飛ぶわ……」
「ありがとう」
その答えに、エリーゼの周りに現れた宝石は消え、彼女もまた緊張を解き。
オレ達も、それに合わせて、脱力する。
「あーもうっ!」
ガタンッ――!
エリザベートがさっきまで座っていた椅子を蹴りとばし、八つ当たりする。
「エリザ」
「お互い敵になった以上ここにいる意味はない。陛下の居場所ももう分かってる。エリーゼ!こんなちんけな宿舎なんかでて陛下の元に戻るわよっ!」
不機嫌なエリザベートが言い放った。
「分かった」
エリーゼが荒れるエリザベートに頷いた。
「行くのか?」
オレは二人のやりとりに、こちらの危機の危うさ感じながら、聞いた。