ローゼンの目的
「あら、てっきりあの世で聞いているモノだと思ったのだけど?」
言われ、オレは記憶をたどり思い出す。
「いや……、ある子の頼みを聞いているとか言っていた。それと、物語を壊してしまったみたいなことも……」
「そっ――物語を壊したねぇ……」
言ったオレにエリザベートはそれを流し、一人考える。
「なあ。あんたたちの目的ってなんだんだ?別の世界から来て、そもそも何がもくてきなんだ?」
ベットにネベラとルーチェに介護されながら、ベットに戻り腰をかけオレは聞く。
「ワタシたちは壊れた世界を治すために旅をしているの」
「壊れた世界?」
「そう――ワタシとエリザは実際にはその世界は知らない。けれど、あの人について行くって決めたから……」
あの人。つまりローゼンの目的が世界を治すこと……。だからこの二人はついていっているのか?
いや、だとしても誰かの頼みを聞いて街を破壊すことと何の関係が……。
「私たちにとって陛下はなによりも最優先。本当は私は世界なんてどうでもいい、あの人さえいれば……」
「エリザ!」
目を閉じ何か想うように言うエリザベートに、エリーゼはそれは言ってはいけないことと、注意する。