破壊された街
「ごめんなさいね。……そう。なら、陛下がこの街の暴動を見逃したのも頷ける。差し詰め、この状況が新しい守護者の願いなのでしょうね?アハハハ――」
「エリザ!」
笑い、訳の分からないことの言うエリザベートに、エリーゼは怒った声で注意する。
「どういうことなんだ?」
聞くオレに、この場にいるエリザベート以外の顔は俯く。
「そんなに気になるなら外を見てみればいいじゃない」
外?
言われ、オレは抱き着くネベラとルーチェをどかし、痛む傷を抑えながら、ベッドから降りると、ネベラとルーチェに介抱されながら、部屋のカーテンのかかった窓へと向かい、外の景色を塞ぐカーテンをめくった。
「これは……」
外の景色を見たオレは、言葉に困った。
外はほぼ全ての建物のレンガが崩れ、そこから煙が出ていた。つまり、荒れ果てていたのだ。オレがバザーで見た人たちが多くいる活気的な様子なんてどこにもない。
それどころか、破壊された街には民間人の、死体、死体、死体。
死体の山が、いくつも死体の山が積み重なっている。中には、この間、オレ達に突っかかってきた男たちの死体も……。
これは一体……一体どいうことなんだ……!