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故郷の月と黄昏の痛み
白銀の粒子が天に突き上げた長剣を中心に竜巻のように集まる。
「しまった」
慌てて距離を取ったオレから更に下がるトーリ。
だがもう遅い。
「消えろ!」
粒子の竜巻ごとオレは長剣を振り下ろす。
―――――――!!
ズバアアアアアアアアアアン!!
竜巻は真っすぐトーリを押し飛ばす。
地面を削り、押し飛ばし白の壁を砕く。
そして、次第に粒子の竜巻はきえ破壊された城が姿を現す。
トーリは崩れた壁の前に倒れていた。
トーリの持っていた剣が光、人の姿をして幼女の姿を現した。
蒼が見の短髪の幼女だ。
「一緒にいくかい?」
オレは聞いた。どうせ封印されるならオレと行くかと。
けれど、彼女は首を横に振る。
「そうか」
本当に封印を望んでいるのか?
分からないが、今は彼女の意思を尊重しよう。
僕は再び走り出し、城を飛び出した。