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どうしたんだ…
「でもまあ、ローゼン……そう。そう名乗ったの?」
「そうだけども……」
「どういうことじゃ?主どの」
「おにいちゃん?」
オレとエリザベートの会話に、ネベラとルーチェは首を傾げる。
仕方ない。奴が名乗ったのは神の領域。つまりはあの世での話だ。
「ああ。眠っている間、神様と話ている時にあいつが現れて言ったんだ。俺の名前はローゼンクロイツだって」
オレはネベラとルーチェに説明する。
「そうなのか……」
ネベラが言う。
「アハハハハ――そう、フッ、アハハハ――ローゼンねぇ――」
聞いたエリザベートが唐突に、足をバタバタさせ、笑いを上げる。
「エリザ」
「そう。これはまた……。流石は陛下といったところね――アハハハッ。見つけたの、新しい守護者候補を」
顔を抑え、これでもかッというほどに笑うエリザベート。それには、物凄く、気味の悪いものをオレは感じる。
「ど……どうしたんだ?」
「アハハハ――きにしないでちょうだい。そう。そう名乗ったのね?」
「そうだが……」
どうしたんだ……?