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ルナは捕まってしもうた
「おにいちゃん……」
「ルーチェ、大丈夫か!」
抱き着くルーチェをオレは抱きしめる。
「うん……。大丈夫……。大丈夫だよ……」
言いながらネベラの時と同じように、泣き始めるルーチェ。
「ああ……。なあネベラ、ルナはどうした」
ネベラ、ルーチェ。二人の安全は確認できた。ならルナももちろん無事なんだろう。
あの状況かで一番安全な場所に居たのはルナでもあったのだから。
だが、その問いに。ネベラは目を伏せたままだった。
「ネベラ?」
どうしたんだ?
ネベラの重い口が開かれる。
「すまぬ、主どの……。ルナはおらんのじゃ……」
「は?」
入れてたことが、オレは理解できない。
「いないってどうして?」
「ルナは捕まってしもうた。あの男にの……」
耳をしゅんとさせ申し訳なさそうに、言うネベラ。
けど、捕まったって……。どうして……。