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助けなんてこない
不気味に笑うフィーが私に射撃物を向けたまま言った。
「な……なんなのアンタ……」
ガタガタと振るわせ、口をカチカチと振る問う。
「なにって。フィーはフィーだよ」
パンッ――!
「きゃっ!?」
また、何かが私に向かって飛ぶ。
今度は私の足元で何かがはじけ、火花を散らせた。
驚いて悲鳴を漏らしてしまう。
「あはは。可愛い声だね」
パンッパンッパンッパンッ――!!
「いやっ……!?」
部屋の中に何度も鳴り響き、そのたびに火花と共に何かが飛び出し、煙を漂わせて、私の周りを何かが飛び弾ける。
その激しさに、身動きの取れない私は目を瞑って耐えるしかなかった。
そうして、音が止むと、小さく私は震えた。
「ははは。いいよぉ、いいよぉ。そういうの。これだから、アナタみたいな子を虐めるのはやめられないの」
助けて、タクミ。
目を瞑った私は彼に助けをこう。
すごくすごく怖いと。だから助けてと。
でも、そんな助けなんてこない………。