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第4話


「あなたは、ミーナかしら?」


私は近づいてきた、ミーナに向かってそう聞いた。


ミーナが現れて、愕然としたジョーン様はそのままだ。


「はい、俺がミーナです。」


私が想像していた、声よりだいぶ低い声だね。

まるで男の人の声みたい。


「私はエマよ。」


握手を求められたので、握手をしかえす。

ミーナは、礼儀正しくもあるのか。


そして、かたくて、大きい手。

それだけ、ジョーン様の横に立つために努力したのね。


私には出来ないことだな。


「涙で濡れた顔も可愛いのですが、これをお使いください。笑顔のあなたの方が素敵ですから。」


そういって、ミーナが綺麗な白いハンカチを渡してくれた。


「ありがとう。」


なんて、優しい人なんだろう。

それに、こんなに美人なミーナに言われるなんて、嬉しくなるね。


「とっても、素敵なあなたに言われると、なんだか、恥ずかしいわ。でも、とっても嬉しい。ありがとう。」


「なら、あなたを泣かせるバカじゃなく、俺にしませんか?」


そう言ってしたウィンクがとっても似合ってる。


「おい!どゆうことだ!ミーナ!!なんで、エマがお前のことを知ってる?」



ジョーン様が、そういって、ミーナに怒る。

ジョーン様は、ミーナのことが好きだったんじゃないの?


そんな好きな人をそんな風に怒る?

こんな、優しくて格好よくて、素敵なミーナを怒る?


私が言うべきじゃないと思うし、ジョーン様を好きな私がミーナを庇うのはおかしいかもしれない。

でも、ゲームの『ミーナ』じゃない、直接話したミーナを見て、庇いたくなったのだ。


「ミーナを怒らないでください。ジョーン様!私が勝手に知っていただけなんです。」


「そうだよ。俺は初めてあったんだから。」


ミーナは、私を後ろからギューッと抱きしめた。


「離れろ!エマから離れろ!ミーナ!!」


あぁ、そんなに好きなのね。

触れられたくないぐらい。


でも、好きな相手にそんな風に怒っては、嫌われちゃうよ、ジョーン様。


「ジョーン様は、ミーナを幸せにしたいんですよね?ミーナのことが好きなんですよね?そんなことしていると、ミーナに嫌われちゃいますよ。」


私はジョーン様のことが好きで、大好きで、結婚したい。

でも、それと同時に同じくらいジョーン様には幸せになってほしい。


ミーナもとっても素敵な人だし、時間はかかるだろうけど、きっと諦められる。

だから、私は2人に幸せになってほしい。


「エマ!よく聞け!!こいつは男だ!!世の中には男を好きな奴もいるかもしれんが、俺は男を好きになったことは一度もない!!だから、エマが言った、こいつを幸せにしたいとかこいつを好きだとかは絶対にありえん!!」


叫ぶように説明してくれた。


「オトコノヒト?」


目をこれでもかってぐらい見開いて、ミーナを見る。


「ミーナは男?」


確かに、ミーナは背が高いし、かっこいい。


あれ?


「そうですよ。俺は男ですよ。一応、大きくなってからは間違えられたことないんですけどね。」


「あ、ごめんなさい!!」


男の人を女の人と間違えていたのは、失礼だ。


あれ?じゃあ、ゲームの中の『ミーナ』と性別が違うってこと?


「ミーナは、ジョーン様のことを、、えっと、男の人を好きな人だったりする?」


「いやいや。俺がすきなのは、あなたみたいな可愛い女の子ですよ。」


にこにこ笑いながら、ミーナは言った。


あれ?じゃあ、私の勘違い?


え??

恥ずかしい。


「え、じゃあ、ミーナはどうしてこちらに?」


「ミーナは俺の護衛役だったが、エマが俺と結婚した後は、エマの護衛隊長となる。性格はあれだが、腕はこの国一番ともいわれてる。エマの話を聞いてから紹介しようと思ったのだが、勝手にこちらに来たようだ。」


「そうだったの。」


「よろしくお願いしますね。エマ様。」


「あ、こちらこそ。よろしくね。ミーナ。」


「ジョーン。女の子を泣かせるなら、俺がもらっちゃうよ。じゃあね。エマ様。」


ミーナはそう言って、去っていた。






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