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第3話


「どうした?エマ?大切な話って。」


「ジョーン。婚約を解消しましょう。」


私はジョーンの目を見てしっかり言う。



ジョーンの目が揺らいだ。

そうか。

もうジョーンは、『ミーナ』にあっていたのね。


だから、そんなに目が揺らいだのね。


ジョーンがこんなに動揺するところをみたことがない。

いつも余裕そうで、大人っぽくて、慌てたところを見たことがない。



「ジョーン、今までありがとうございました。婚約者として、大切にしていだいて、嬉しかったです。今日お父様に話し、後日正式に婚約を解消してもらう予定です。」



これは、婚約破棄じゃない。

解消だ。


この国では、解消は、汚点にはならない。

解消は、時々あることだ。


ジョーンは次の婚約者、結婚する時の汚点にはならない。


まー私の方は言われるよね、きっと。

婚約破棄はもちろんのこと、解消だって、女の方は言われるものだ。

次期国王になる予定との婚約解消だから余計にね。


「それは、、。エマは俺のことが嫌いになったの?」


何を言ってるの?

あなたのことが好きだからだよ。


「ジョーンのことは嫌いになったりしないですよ?」


今になって思えば、ジョーンに一回も「愛してる」とか「好きだよ」とかの言葉をもらったことがない。

なんで私はもっと早く気づかなかったのかな?


「エマは他に好きな奴でもできたの?」


なんで、そんなことを聞いてくるの?

もしかして、ジョーンはもう『ミーナ』がいるけど、私に次の婚約者がいなかったら、悪いからとでも思ってるのかな?


ここはうんって言った方だいいのかな?

でも、私はジョーン以外をすきなれるかわからないし、お父様には申し訳ないけど、当分は1人でもいいやって思ってたのに。


「そうなんだ。そうなんだね?、、でも、俺は婚約解消なんてしない。俺はしたくない。」


私が黙っていたことをどう解釈したかわからないけど、ジョーンがそう言ってきた。


え!!

ちょっとまって。

解消がいやって、婚約破棄じゃないとだめってこと?


「ジョーンは婚約破棄じゃないと認めないってこと?」


嘘だと言ってほしくて、そう聞いた。


私はもう、あなたにそんなに嫌われていたの?


「そんなに泣くほど、解消したかったのか?」


私は泣かないと決めていたのに泣いちゃった。

でもしょうがないよね?


まだ今の段階なら嫌われてないって勝手に思ってたんだもん。


「ジョーン様。最後のお願いを聞いてくれますか?」


もう、私はジョーンとは呼べないね。


「最後だなんて言わないで。エマのお願いならどんなことでもかなえてあげたいって思ってるよ。、、でも、婚約解消のお願いは聞けないな。」


どうしても、婚約破棄がいいんだね。


「いいえ、ジョーン様。『ミーナ』という人物に合わせてください。」


私は泣き笑いの表情だとは思うけど、にっこり笑って告げた。

ジョーン様が私を見ることが最後になるかもしれない。

だから、私が泣き顔ではなく、笑顔な私を覚えていてほしいから。


「『ミーナ』?」


え?

なんで不思議そうな顔をするの?


「美人で素敵な『ミーナ』という女の子。ジョーン様は知っていますよね?」


驚きすぎて、涙が引っ込んだ。

それは、良かった。


でも、なんで誤魔化すの?


「女の子?」


なんで、とぼけるの?

私には見せてくれないの?


最後に一目みたいの。

それぐらいのお願いはかなえてほしい。


「どうして、エマが『ミーナ』のことを知ってるんだ?」


あーそっか。

私はあのゲームの中で『ミーナ』を知ったけど、ジョーン様に紹介されて、知るはずなのか。


「私が婚約解消を申し出たのは、ジョーン様が『ミーナ』のことを、、好きだからです。ジョーン様が『ミーナ』と幸せに暮らしたいって言ったから。私は!!」


言うつもりなんてなかったのに、ジョーン様の後ろから近づてきた、遠目でもわかる、あのゲームの中にいた『ミーナ』、美人な子が現れて言っちゃった。


私は嫌な子ね?


今の言葉はまるで、『ミーナ』のせいっていってるみたい。


それに最後なのに、涙でぐしょぐしょで、声を荒げて、こんな婚約者、『ミーナ』が現れなかったとしても、解消、、ジョーン様は破棄したかったのか、、婚約破棄されてたでしょうね。



「何を言ってるんだ?」


ますます、不思議な顔をする。




後ろを歩いてくる人物を見る。


じゃあ、あの『ミーナ』は、ジョーン様が幸せにしたいと言った、『ミーナ』じゃないとでも言うの?



確かに、ゲームの『ミーナ』とは違いミーナは長い髪を高い位置で縛っていて、ゲームの『ミーナ』と違い、ドレス姿ではなく、騎士の格好だった。


それ以外は全部同じの『ミーナ』。

美人で、背筋がしゃーんっと伸びてる、格好よくて、美人な『ミーナ』。


私に勝てる要素はない。

だって、真逆なんだもん。



ミーナは、背が高くて、たぶん、ジョーン様と同じくらいで、一緒に戦えそうな、美人で格好いい。


私は、背も低くて、ジョーン様とは、頭一つ以上下くらいで、一緒には戦えないし、お世辞にも格好いいなんて言えない。



ミーナは、あと、3mくらいの位置まで近づいてきた。


「では、ジョーン様。後ろにいる人は誰ですか?」


嘘は許さないぞっていう目でジョーン様を見る。


「美人で格好いいこの人と結婚したいんですよね?」


1mぐらいまで近づいてきた、ミーナを見ながら聞く。


「何を言ってるんだ?」


ジョーン様は、不思議な顔をした後、振り向いた。




ほら、現実にミーナが現れて、ジョーン様は愕然とした。



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