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それぞれの個性。豚? えっ……。

んー……。

 ほとんどのクラスメイトが俺のダンボールを囲んで作戦と挑むゲームを考える。


「鬼ごっこなんてどうだ? 俺らにも勝機がありそうだし」


 俺は純粋に意見を提案する。


「それって、でもカッコいいか? お前、この学校のルールを分かってねぇだろ」


 豚と人間の合成体(豚人間と呼ぶことにした)がそう言う。

 どういう事だ? 勝負に勝てばいいんじゃないのか?


「この学校のルール。カッコいい、可愛いと先生に思わせた方がポイントは多く入るんだぜ?」

「そうなのか……?」

「あぁ。そうだ。鬼ごっこは鬼ごっこでも、盛り上がりそうなルールがいいと思うぞ」

「あ、なら。これなんてどうです?」


 クラス代表が話した途端、俺達は鼻を口で抑える。

 失礼? いや、しょうがない。


「牢屋鬼風鬼ごっこ」


 すると、アゴシャベルが質問する。


「牢屋鬼ってあれだよね? あの、子供とかが良くある牢屋を決めて鬼がそれを守りながら戦うやつ。ケイドロみたいな?」

「そう。それだよ」

「でも、代表。そんなの盛り上がるんですか?」

「だから、言っただろ? 牢屋鬼風って」

「つまり……?」

「タグラグビーって知ってるか?」

「何だそれ」

「腰についているタグを取られたら必ずパスをしなきゃいけないラグビーなんだけどな。それの応用。タグを取られたら即退場の鬼ごっこ」

「お、つまり。相手のタグを取りに行くってことだな。でも、それって牢屋鬼関係無いんじゃないか?」

「いや、違う。牢屋鬼は助けに行くだろ? それの逆。牢屋にいる人間を倒しにいくんだ」

「つまり?」

「指定された王様を牢屋内で守りながら戦うってこと。これなら盛り上がるんじゃないか?」

「「「「「「おお!!」」」」」」


 クラス内が歓喜の声で溢れる。

 いや、まだ勝ってもいないからな……。


「あのー……」


 超絶美少女の男の娘(女神様と呼ぶことにした)が恐る恐る手を挙げる。

「「「「どうした!」」」」


 声を合わせて、一斉に質問する。

 皆、考えることは同じ。やっぱりいいよなぁ! 男の娘!! いや、別に男の娘がいいっていう訳ではないんだけどな。


「その意見なんですけど……。確かに盛り上がりそうです。でも、会場はどこでするのかなぁ……って」

「あっ」


 クラス代表が意表を突かれたような声を出す。

 そうだよなー……。俺ら底辺クラスに校舎なんて貸してくれねぇよなぁ……。

 そして、俺達は再び考え直すことになった。


『クラスのいい所の特徴を生かすんだよ……』


 大便マンの声が聞こえる。

 俺に対するアドバイスなのだろうか。

 この後、クラス内で盛り上がって、尚且つ場所の取れるものを考えたが何も浮かばなかった。

 そして、再度意見を考え、明日、持ってくることになったので授業が終わり次第すぐに家へ帰った。

 まぁ、言い出しっぺなんだししっかりやらないとな。


 ガタンゴトンガタンゴトン


 俺は家に到着するや、急いで階段を駆け上り部屋へ入る。

 そして、椅子に座り考え込む。


 クラスのいい所ねぇ……。


 男の娘の可愛さ以外に思いつかねぇぜ……。


 ――数十分後


 何も思いつかねぇ!!

 俺は気が付けば、ゲームの内容より男の娘しか出てこなくなっていた。俺の性癖が狂ったのなら、女神様に何とかしてもらうしかない。

 だが、俺は再び考える。

 可愛い……癒し……。

 あー! また男の娘に! ……ていうか、待てよ。そうか! この手があった!

 男の娘を考えている内に良い作戦を思いついたのだ!


 俺はその日。ぐっすりと眠りについた。


 ――――――

 ――――

 ――


「おはよう!!」


 その翌日。俺は朝一で学校へ到着し、皆に元気良く挨拶をしていた。

 そして、クラスの大半が学校へ到着した時。

 俺は話をクラス中央で切り出す。


「良い報告がある!! 話は再度昼休みに!」


 俺が勢いよく椅子に座ると女神様の声が聞こえる。


「何かいい案を思いついたのっ……?」

「そうだ。お前のおかげだぜー!」


 俺は女神様の膝へ飛びかかり、頬をすりすりする。

 男だし。別に悪い事はしてないよな。


「気持ち悪いよ……。僕は男だと、あれほど……」

「まあまあ!」


 そんなたわいもない会話をしていると先生? が入ってくる。

 ホームルームを済ませ、ゲーム音を聞きながら俺は勉強を始める。


 ――――――

 ――――

 ――


「起きて……」


 耳元で可愛い天使のような声が聞こえる。


「ふぇ……あ、ありがと」


 俺は目を擦り、その姿を黙視する。


「・・・うわぁぁぁあ!!」


 塗子さんだった。

 どうやら、寝ている俺を優しく起こしてくれる天使ではなく、単なる寝起きドッキリだってらしい。

 まぁ、いい。昼休み何だろ? 気を取り直し、俺は作戦を皆に話した。

よし。これでいいかな。

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