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突然の告白!? 俺はリア充に?!

 すると、俺のおでこに唇が当たる。


「……!?」


 混乱し、情報の整理がつかなくなる。

 美少女?! キス?! 何で!? え?!

 自分でも分かるほどに、頬が真っ赤になり熱くなっていた。


「前と反応違うねー」

「?!?!」


 意味分かんない! え?! え!?

 俺は誰かにキスなんてされた事があったか?!


「まだ、思い出せないのー?」

「ま、ま、ま、全く分かりません!」


 彼女は少し落ち込み、深いため息をする。

 そして、ニッコリと笑い直して。


「久しぶり! 幼稚園ぶりだね! 昔はー……その。横綱みたいだったかな……?」

「!?!?」


 もう色々と訳が分からなくなる。この美少女が?! 幼稚園の時の横綱!? え!? え!?


「ほらー、お弁当! 忘れた?」

「全く記憶にない……ってか本当?!」

「なら、思い出話をするけどさー。君が幼稚園の頃。運動会の時はお弁当でさ。『一人でポツーンと食べてたよね』」

「あぁ。覚えてる。皆が親と仲良く食べてるのに俺は一人だった。でも、誰かと食べた気もするんだ」

「それ、私。うちのお父様……ううん。お父さんが『あの子。可愛そうだから、一緒に食べよ! って言ってこい』って言ったから私が誘いに行ったの」

「……! 何か思い出したかもしんない。それでそれで! 俺が『殺されるー!』って叫んで」

「やっと思い出したかぁー」


 そう。あの時は確かこんな感じだった。

 皆が各自の保護者と一緒に食べてる中。当時横綱だった彼女が飯に誘ってくれたんだけど、子供の頃の俺は食べられるー! って思ったんだよな。

 でも、その後唐揚げとかくれて「あ、良い奴なんだな」って思って彼女とも仲良くしたんだっけ。

 こいつ。昔は横綱みたいだったから妙な安心感があって、結構仲良くしてたんだよなー。


「でも、お前。突然、どこかにいなくなったじゃないか」

「えー?! 嘘でしょ!? 私の告白を忘れたの?!」

「告……白?」


 え? 俺って、昔、告られてたの?! リア充じゃん! いえーい! 横綱とか関係ねぇしー!


「ほら。あの時だよー。私がいなくなる一週間前? 君とも結構仲良くなってさー。丁度、一年くらい経った時だったかなー。隣同士でブランコに乗ってる時に私がさ。『私ねー。えっ君が好きー!』って言ったら、隣のブランコがだんだんと遅くなって……」

「ごめん。全然っ! その記憶が無い。続きを頼む」

「私が怒らせちゃったかなー……? と思ってブランコから降りたら、君はブランコに乗りながら気絶してたんだよねー」


 何その記憶!? 隠蔽?! 意味分かんないんですけど!


「そして、君の放った一言。これは心に響いたなー。『力士は嫌だ。……可愛い子』気絶しながらこんな事をほざきやがるんだよ?! 分かる!?」


 グイグイ顔を近づけて怒ってくる。


「それなのにさー! 覚えてないとかありえなく無い?! 確かに、あの後君の親に電話して早退したってのは聞いたんだけどね! まさか、ショックの大きさで記憶まで飛んでるとは思わなかったよ!!」

「ごめん! ごめんって!」


 いや、本当に記憶飛んでましたよ。当時のあなたは確かに凄かったですもんね!

 色んな意味で。


「で、私がいなくなった時のことも忘れた?」

「ごめん」

「……もう。私、君にキスしたんだけど……」

「えぇぇぇぇえええ?!?!」


 俺は驚きのあまりひっくり返りそうになる。椅子に座ってたら間違えなく倒れてたな。


「はぁ……。それも覚えてないのかー……。私がさ。いなくなる直前。君と河原だったかなー? で、まぁ遊んでたんだよね」

「お、おう?」

「それでね。私がお別れを言うのが悲しくて突然、泣き始めたの。すると、君が『どうしたの?』って近寄ってきたから。私はそのまま君の肩を持って……『ありがと……!』って、そのままおでこにキスをしたんだよね」


 そんな恐怖の出来事を俺が覚えていない……?!


「すると、君は泡を吹いて気絶しちゃって。そのまま親を呼んで病院に搬送されて……。何かの病気かな。お別れの挨拶言えなかった……。って、思ったけど引越しの時期が来ちゃったって話。

 本当に覚えてないの??」

「う、うーん。分かんないな」


 多分、それもキスのショックで気絶したんだろうが! 記憶まで消えんなよ! 全く。


「ま、まぁさ。そこまでの経路は分かった。美咲? でもな、昔のお前は横綱みたいな奴だっただろ? それがどうしてこんな事に……?」

「整形した」

「え?」

「君のために、君に振り向いてもらうために整形した。頑張って痩せた。文句ある?」

「整形って……。お前。お金かかったんじゃないのか?! 俺のために……そんなこと」

「整形って言っても、元が悪くは無かったからプチ程度の整形だから。そんなにお金はかかってない」

「な、なら。尚更だ! 整形がどうこうってわけじゃない。悪いとなんて全然思ってない! だけどさ。俺が申し訳ないって思う。だから、お金は払わせてくれ……」

「はぁ……。お金なら本当に大丈夫なの。有り余るほどにある。この屋上を借りたのも私でしょ?」


 そう言われてみればそんな事を……。でも、こいつん家。普通の家だっただろ?! どこからそんなお金が。もしかして悪い店とかに……。


「お前ん家って、そんな金持ちじゃなかったよな……?」

「……昔はね。今はお金で色々変わった。何だって出来る。使い放題」

「色々って……お前。凄く悲しそうな顔をしてるぞ?」


 彼女は今にも涙を流しそうで目をうるうるさせていた。


「その話はいいから……。本当に放っておいて」


 こいつがそう言うなら……。


「それよりさ……」


 すると、彼女は再び笑い直して俺のおでこに二度目……。いや、三度目のキスをする。


「私と付き合ってよ! 君のためにここまで来たんだから!! ね? ダーリン!」

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