表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/28

壁と同化? チーターか!

 俺達は教室に戻り、作戦を立て直す。


「どうする? 敵はサバゲー慣れしてるやつがかなりいそうだぞ」

「それなら私だって!」


 柳が手をピシッと上げる。


「でもなぁ、相手の手慣れの数も分からないし……」


 すると、クラス長が手をピシッと上げる。


「そうですね。なら、普通に火力で潰すのはどうでしょう。面と面で向き合って戦えば絶対に負けることは無いはずです」

「おー。確かに!」

「作戦としては教室から追い出して廊下で一騎打ちって感じか?」

「そうですね……。ですが、追い出す方法が思いつきません」

「こんなのはどうかな?」


 アゴシャベルが顎を輝かせる。

 ま、眩しい!


「私みたいな防塵な何かを持っている人が窓ガラスを割る。そうすれば流石に相手も出てくるでしょ?」

「あ、あのさ。それなら私がやるよ……。任せて」


 ポケットに手を入れた鼻くそマシンガンが可愛らしく手を挙げる。

 最近、鼻に手を突っ込んでいない。

 凄い進化だ。ていうか、この状態の彼女ならBクラスくらい余裕でいける気がする。


「どうやってやるんですか?」

「……こうして。鼻くそで……」


 彼女は鼻に手を突っ込み、普通の人(いや、普通の人は鼻くそを飛ばさないんだけど)が飛ばすような素振りを見せる。

 でも、窓ガラスなんて割れるのか?


「いいし、信じてるけどさ。割れるのか?」

「私を……信じて!」

「分かった」

「……ありがとう」


 何か、凄くいい雰囲気だな。これが戦闘じゃなければ! の話だけどな。


「お二人さーん。イチャイチャしてないで頑張るよ!」


 柳が間に入ってちょっかいを入れてくる。


「分かったから! じゃあ、頑張るぞー!」

「「おー!」」


 敵は未だに教室で篭っているのか、相手に遭遇することは無く二階廊下へ辿り着くことが出来た。

 廊下では教室を真ん中に左右に七、八人のグループを作り、しゃがんで待機している。

 鼻くそマシンガンが撃つと言っていたのは俺達が出てから三分後。

 そろそろ撃ってもおかしくないはずだ。時間だって微調整したからな。

 俺のいる七人グループで顔を見合わせ、うん。大丈夫。という意味を込めて首を上下させる。

 そして、前に向き直した時。教室の方からバリーンという爽快な音が聞こえた。

 反対側のグループと顔を見合わせ、サインを送り一気に部屋へと突入する。


「一旦。落ち着こう。敵だってそうは上手くないはずだ」


 真ん中の眼鏡男が指揮を取っていた。

 敵は今か今かと待っていたのか。

 俺らに銃口を向けていた。相手も倒れるが俺達のチームの死ぬ勢いが凄い。死亡のアナウンスが鳴り響いている。

 俺は一旦、後に引き壁を盾に体制を立て直す。ドラマなんかである銃撃戦をしている気分だ。

 その知識を生かして、俺はひょこっと顔を出す。指揮官と思われる眼鏡は俺に全く気づいていない。

 あいつを撃てば……!

 俺は頭に射程を入れて、引き金をしっかりと引く。

 その時、指揮官の男も慌てたように俺へと気づいているようにも見えた。

 次の瞬間……。


「田中 エロナスビ! 風間(かざま) (ひろ)のヘッドショットを確認! 脱落!」


 その時、俺の体はワープするように客席のような真ん中に大きなモニターがあるところに飛ばされた。

 周りを見るとクラスメイトや敵だったやつらもいた。

 仲間だった奴が「お疲れ様ー」などの声を掛けてくれる中。アホみたいなやつが一人いた。


「てめぇ、さっきはよくも!!」


 突然、豚人間が殴りかかってくきたのだ。

 はぁ……。忘れてた。


「ちょ、待てって! 俺は今まで戦ってたんだぞ?!」

「うるせぇ!!」

「まぁまぁ、落ち着こ?」


 先に倒れていて、ペンキまみれの女神様が間に入って止めにかかる。

 正直言って、そんなことどうでもいい! エロすぎる!! 可愛い!


「誰かにヤられた?」

「違うわ!」

「それより……てめぇは俺と話があんだろー!」

「突っかかってくんな!! うるせぇな!!」


 俺達は胸ぐらを掴みあって話を始める。

 いつもだったら、ここ辺りで女神様が止めに……。

 止めにかかることは無い。ただ、モニターを見て興奮しているのは分かった。

 俺と豚人間も手を離して、その画面を見る。

 それはとても凄い光景だった。

 周りを見ても、敵がどんどんとこのモニターのある部屋に送られているのが分かった。

 相手を異常な程にキルしているのは柳だった。

 体が昔の状態に戻っているので隠れながら……。いや、同化しながら相手を的確に撃っていた。


「「す、すげー……」」


 五人くらいの差が付けられていたはずなのだが、敵との差は無くなり、鼻くそマシンガンを含めた三人。と相手も三人という分が良い勝負になっていた。


「くそっ! くそっ!」


 相手は何度も何度も撃つがなかなか頭には当たらない。


「……脱落! 脱落! 脱落!」


 あっという間に残りの三人は倒れ、俺達の勝利になった。

 歓喜の声が起こり、周りの雰囲気は一気に明るくなる。敵は「嘘だろ……」と言わんばかりに絶望したような顔をしていた。


 この後は変わったこともなく。月曜日に結果報告とスキル割り振りをするとの事らしい。

 俺はハイテンションで家に帰り、ベットに寝転がり思いっきり腕上げた。


「っしゃぁ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ