作戦会議
俺は駅から出ると、体を思い切っり伸ばす。
長い休みも終わって学校かー!
「……鼻くそ」
周りの人がめっちゃ見てきた。
やらかしたー!! 鼻くそマシンガンと気まずくなったりしないよなー。
俺はそんなことを考え、駅から学校へ向かった。
「おはよー!」
「おはよう」
相変わらず元気だなー。この前の遊園地帰り具合悪そうだったから、少し心配してたけど大丈夫そうだな。
俺が自席へ座ると、女神様が教室に入る。
「おはよ」
「女神様ー! 会いたかったぜー!」
「キモい。死ね」
「残念ながら、俺は罵倒をされて喜ぶタイプじゃねぇんだよ……」
「お前のためにやったんじゃない!!」
「ツンデレは歓迎」
「死ね」
「罵倒なら、俺が歓迎だぜ!!」
いつの間にか、教室に入っていた豚人間がひょこっと顔を出す。
「あー! もうウザイ! 死ね死ね!」
「最高……!」
右手の親指を出しグッドポーズをする。
まぁ、こんなバカやってる男三人を周りがどう思ってるかは知らないが久しぶりの学校が始まった!
しばらくすると、ホームルームが始まり授業へ移る。
――――――
――――
――
「ーん。起きてますかー!」
「うわぁ!」
気が付いたら寝ていたみたいだ。
午前最後の授業だし、しょうがないな! 寝るような授業をする先生が悪い。
俺が総理大臣になったら、国民の前で『寝るような授業をする先生は悪い!!』って言うんだけどなー。
「はぁ……。じゃあ、この問題は何ですか? 柿食えば……?」
「先生は悪い!」
やべぇ!! 変な事考えてたから色々と間違えちまった!!
「「??」」
周りの注目が俺へ一気に集まる。
すると、先生はわざとらしい咳払いをし再び俺に聞き直す。
「柿食えば?」
なるなるだっけ? なるなりだっけ?
分かんないから、もう何だっていいや。
「分かりません」
授業終了後、少年はきっちり授業を受けるように廊下て指導されたと言う。
「……すみません」
俺は扉を開けて教室に戻る。
あんなに怒んなくてもいいじゃんー! 高校なんだしさー!
これだから熱血先生は……。
「本当に馬鹿だよねー!」
「うるせえなぁ」
「それより、作戦会議するんじゃないの?」
「あー、そうだった!!」
俺は黒板前に立つ、予めクラス全員に次の作戦を考えるということは話していたのですぐに全員が近くに集まってきた。
まぁ、休み時間なので俺以外は飯を食っていたけど。
「えー、次のDクラスへの昇格をするための作戦会議を始めます!! こんな言い方をするのも何ですが、この前と違ってそれぞれに個性はありません」
「違いますよ。対戦時には元へ戻ることが可能です」
クラス長に忠告される。
マジか……! なら、戦力が落ちることはない!
つまりだ! 俺らは安定して勝利が奪える! たかがイケメンのキラキラオーラに負けるわけないだろ!
「なら、何の勝負をしても勝てるんじゃないか?」
「確かにそうですね」
おおー。やったぜ! と周りが歓喜に溢れる。
対戦相手なんて平凡の集まり、要するにモブばかりなんだから負けるわけがない。
「ですが、油断をして負けるようなことは避けたいです」
「だな」
「なら、これはどうかなー? サバイバルゲーム!! ……たーだーし。相手を倒す手段は自由!! 殺しの道具を使わなければ何でもあり! 実際には使用道具を色々設定するけどねー」
「使用出来ない道具は後で考えるとして、それいいな」
それからクラス全員の意見が詰まったルールが決定した。
「それで、誰がDクラスのやつに交渉するんだ?」
全員は黙り込み、俺を凝視する。
うわぁー! 嫌だなぁ!!
こうして、俺は放課後Dクラスへと足を運んだ。
だが、嬉しいことに鼻くそマシンガンも付いてきてくれている。
一人じゃ大変だからってことらしい。しかも、鼻に手を突っ込んでいない美少女タイプだ。
「……すみません。失礼します」
クラスに残っていたのは数人の男女のみだった。
「何?」
俺達へ最初に突っかかってきたのはギャルメイクをした金髪の女性だった。
一見、可愛く見えるがDクラスにいるということはメイクで誤魔化しているのだろう。
「てか、Eじゃん! おやつ買ってきてよー!」
「いや、その買ってくるので要件が……」
「何なのー? 私達、忙しいんだけどー」
「今度、クラス対決をしてもらえませんか?」
「いいねー! どうせ負けないしー! 残ってる子も賛成だよねー?」
周りからは「もちろん!」「負けるわけないもんね!」等の声が聞こえる。
こいつら馬鹿だな。鼻くそマシンガンが本気を出したら誰も勝てないのに。
俺は振り返り、鼻くそマシンガンに優しく微笑む。
「じゃ、買ってきて。よろしくー。物は任せるから」
俺はデザートを買い、あいつらに届けた後、家に帰った。