6話 「冒険者という者達は」
6話「冒険者という者達は」
ミルディアのおかげで、何とか門を突破した、アラムとエルナはギルドに向かっていた。
街の中は賑やかで、様々な人種の人が歩いており、人はもちろん、亜人や獣人が仲良く喋っている光景も多々見られた。
ある程度進むと、食べ物屋は減り、次は武器屋、魔道具店、本屋などが並びはじめた。そこを歩く人も、さっきのような一般人ではなく、多種多様な装備をした人達だ。さすが、冒険者が集まる街。ここでなら、仲間もすぐ見つかるだろうと思いながら足を進める。
「そういえば、お前ってどういう立場になるんだ?エルナ?」
「どういう立場ってどういう事よ?立場は神様よ?」
「いやそういう事じゃなくて。パーティって4人で組んだりするもんだろ?お前は聖剣だから俺の所有物になるのか、それともメンバーってことになるのかってことなんだけど。」
「所有物って言い方が気に食わないけど、そうね、どっちでもいいんじゃない?そもそも4人で組まなきゃいけないルールなんてないし。」
そういうものなのか。まあ人は多いほどいいが、報酬の取り分のことを考えると4人が妥当だと思うが。まあ、集めるのはあと2人、3人ってところだ。
ギルドにつき、中に入ると、そこには昼間からお酒を飲んで騒ぐものや、クエストボード?を、みながら相談するもの、ただ座って雑談したりする者がいた。
「おぉ!これがギルドか!なんか想像道理だけどなんか燃える!」
「暑苦しいところねー。私外で待ってていいかしら?」
「ダメに決まってるだろ。お前一人にするとなにかやらかしそうだし。」
「私って貴方の中でトラブルメーカーなそんざいになってるわけ?!」
エルナと少し揉めていると、ギルドのお姉さんが喋りかけてきた。
「ようこそギフリエのギルドへ。冒険者の方ですか?休憩ですか?クエスト受注ですか?わ、た、し?」
「えっ?」
「冗談ですよ〜。そんな赤い顔しないでください。それでご要件は。」
ミルねぇしか女の免疫がない俺にそんな冗談いわれても困るんですけど、っと恥ずかしい気持ちを抑えながらもあくまで紳士的にお姉さんに答えた。
「いやー、実は仲間を募集したいんですけど、手続きってどこですればいいんですかね?」
「あやー、仲間の募集ですか。分かりました私が受けたまりますのでどうぞこちらへ。」
そう言われお姉さんについて行き、透明なガラスの前に座らせられた。そしてお姉さんが消えると、次はガラス越しでお姉さんが現れた。
「すみませんねー。あのままでも良かったんですけど、手続きする時はここでしないといけない決まりなので。さて、仲間の募集ということなので、いくつかの質問をさせていただきます。嘘はダメですからね!絶対!それでは、まずお名前、職業、年齢お願いしまーす。あっ、まずは代表の方だけで結構ですよー。」
「じゃあ代表は俺ね。名前はアラム、年齢は20歳だ。あと職業は冒険者だ。」
「ふむふむ、アラムさんでー20歳ねー、職業は、っと最初に申し上げた通り嘘は辞めてくださいねー。勇者さん。」
「っっ?!」
「あらら、ビックリしてますね。ついでに当てますとお隣ののお姉さん名前はエルナで聖剣に宿りし神様でしょ?当たってます?」
どうなってるんだ?!。全部このお姉さんに見透かされてる。なにかの魔法か?生まれ持った加護か?何れにせよ勇者とバレたら追い出される。不味い…。
「おっとー、そんな険しい顔しないでください。門番の兵の人から情報が入ってただけですよ。あと追い出したりしないので安心してください。まあ、嘘を付いたことはお兄さんですけどね?」
「なんだよ、そういうことか。いや、悪かった。門番の人にも勇者ってことは黙ってて欲しいって言われてたからな。あとバレたら追い出されると思って。悪かったな。」
「まあ、勇者の評判のことを考えると当然ですね。次からは本当のことお願いしますよ?じゃあ仲間を募集する目的を、教えて下さいな。、」
「目的は、魔王を倒す為だ。そのために強い仲間がいる。それだけど何が問題あるか?」
「いえいえー、いいですよー。あと募集する人数と職業とかあります?あんまり意味無いと思いますけど。」
「人数は2、3人で、職業とかは特に無いですけど。」
「わっかりましたー!じゃあ質問は以上なんで。それでは募集かけさせて頂きますね!」
そう言うと受付のお姉さんは立ち上がり、両手を口の横にして、
「仲間募集のおしらせでーーーす!!勇者アラムのお仲間募集!!最終目標は魔王討伐!!職業の指名は特になし!!3名まで募集していまーす。気になる方はこちらまでーー!!」
ギルド全体二まで響き渡る声で受付のお姉さんはしゃべった。さっきまで騒がしかったギルド内は一瞬で無音になり。みんなこちらを見つめている。
不味い、不味い、不味い、なんだよこのお姉さん、追い出さないとか言っておいて追い出す気満々じゃねぇか。勇者って公言したら、厄介者として扱われる。本当不味い。
アラムが頭を抱え唸っていると、どんちゃん騒ぎしていた大男が渋い声で、
「なんだ、あんちゃん勇者様なのかよ。何びびってるんだ?勇者ならもっと胸張りな。誰もお前のことなんて追い出したりしねーよ。そうだろみんな!!」
そう大男が言うと、周りの人々が笑いだし、「当たり前だろ!」など今まで無かった反応を見せてくれた。
「ね?追い出したりしないっていったでしょ?世間の反応は宜しくないでしょうが、魔物と退治したりする者は全く別の反応なんですよ。安心しました?」
「安心したとかそういう次元じゃないですよ。今までの人は、勇者と聞くなり厄介者扱いで大変だったんですよ。」
俺は安心感と緊張から解放されたのか大きなため息を付いた。また、大男が喋り出した。
「だが、仲間になるかは別の話だ。お前の苦労さも認めるが、誰も好き好んで最悪の道に進むやつはいねえ。まあ頑張りな。」
その瞬間から誰も勇者の話はしなくなった。そして受付には誰も来ようともしなかった。
「当分募集はかけますので、時々おしらせしますが、あまり期待しないでください。」
「分かりました。それじゃあお願いします。また来ます。」
そう言って、俺たちはギルドをあとにした。
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「あぁ、やっぱり絶望的だ。あの様子だと仲間なんて絶対集まらねぇよ。どうするよーエルナさまー何とかしてくれよー。」
「あんた、こういう時に限って様付けって・・・。私が、どうにができるわけないでしょ?人の心は操れないんだから。」
ギルド裏の川を眺めながら絶望に暮れていた。あの大男が言ったように誰も好き好んで勇者の仲間になろうとは思わない。この世界はそういう世界だ。
「仕方ない。今日の食料到達と宿探ししてからまたギルドに行きますか。」
そう言って商店街に向かおうとした瞬間、
「おっと!わりぃ。」
白色のフードを被った女の子にぶつかった。
「悪いな。ちゃんと見て無かった。怪我はないか?」
「大丈夫です、こちらもすみません。」
ぶつかった女の子は、髪は明るい青色をしており、白色のフード付きのローブを羽織っていた。後ろには青色の手のひらサイズの魔晶石が埋め込まれた背丈サイズの杖を掛けていた。背は150cmあればいい方と言ったところだ。
「なんですか?ジロジロ見て?」
「いや、小さい可愛い魔法使いさんがいたもんだなと思ってな。迷子か?」
「失礼な人ですね!これでも19歳ですよ!初対面でいきなりなんですか!!ぶっ飛ばしますよ!」
「19歳?!どう見てもそうには見えんわ。ぶっ飛ばすって君にそんな力はないようなあっておいよせ杖をしまえ。問題起こしたら大変なんだ。」
不機嫌な顔で後ろの杖を取り出しこちらに向けてきた。
「問題を起こせないってなんかやった人ですか?衛兵呼びますよ?」
それはそれで不味いので、さっきのギルドの反応のことをら信じて。彼女に自分の正体を話した。
「いや起こしてねぇし。立場てきに不味いんだ。俺の名前はアラム。先日聖剣を引き抜き勇者になった男だ。んでさっきから黙って見てるやつが聖剣のエルナだ。」
「あんたが勝手にぶつかって、墓穴掘ってってるの見てただけですけど。さっきこいつから言われた通り私はエルナよ。聖剣に宿りし神様よ。よく覚えておきなさい。」
「勇者?もしかして、この街には仲間を募集しに来てますか?!」
やはり冒険者達は俺のことを厄介者として追い払わないようだ。そして少女はさっきの不機嫌そうな顔とはかわり興味津々な顔でこちらを見ている。
「そうだけど、さっき募集をかけたんだけど、誰も来なくてさ。現在も探しているんだが」
「そーなんですか!募集中ですか!それなら私!私を仲間にしてください!」
少女の言動が理解出来ず、数秒固まってしまった。
「もしかして、ダメですかね。」
「いやいやそんなことない。仲間になってくれるのは有難いけど。本当に19歳?」
「まだそこを疑ってるんですか・・・。本当に19歳ですよ。カード見せましょうか?」
そう言って彼女が出したのはギルドカード。これは自分の身分を証明するもので、名前、職業、年齢などが記載されており、他にも魔物の討伐数など、見ただけで実力が分かるようなカードである。
「えっと、なになに、名前がミーラ、年齢が19歳で、職業か魔法使いの階級が・・・魔女!?」
「ふふっ、そうですそうです。私が魔法使いのトップの称号をもつ物、ミーラ!代々有名な天才魔法使いの家に生まれ、そして私もまた天才!19歳にして魔女の称号を手に入れたもの!この街の最強の魔法使いは私です!」
「おぉ!それは凄いな!よし俺のパーティに入ってくれ。いやお願いします!」
「いいでしょう!さあギルドに行って契約しましょさあさあ。」
俺の腕を引っ張りギルドに行こうとする少女。しかし、俺にはなにか引っかかっていた。なぜ、こんなにも勇者の仲間になろうとするのか。自分で言うのもあれだか、何回も言うように、誰も好き好んで入るようなパーティではない。それと彼女の話がうまく出来すぎている。
「おい。ちょっと待て。お前俺になにか隠してないか?なんで勇者のパーティにそんなに入りたいんだ?」
「隠し事なんてそんな!パーティに入りたいのは、純粋に自分似合ってるからですよ!それに魔王をぶっ倒すのが自分の夢なんで!分かりました?さあさっさと契約しに行きますよ!」
俺は確信した。こいつは絶対に何かを隠している。
「まあ落ち着け落ち着け。君の力量も見てみたいし、とりあえずテストってことで外に出て魔獣を討伐してこよう。それから決める。」
「そ、そ、そ、そうですね。いいでしょう。わったひの力とくとみるがいいわ。」
彼女は震え声でそう答えた。