14話 「マンドラゴラ騒動」
14話 「マンドラゴラ騒動」
「あー生き返るー」
ギルドと隣接する銭湯で湯に浸かりくつろぐアラム。
「魔王幹部のベルとの接触と仲間に荷物持ちしか出来ない元魔王のシャラミナが加わった。エルナはバイトもクビ・・・。明日からどーすっかなー・・・」
お金がない。この入浴代もミーラに立て替えて貰っている。
「まあ、なんとか魔王幹部もいなくなったし。なんとか処刑されずにすむ。明日はクエストに出て少し稼ごう」
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―翌日の朝―
「クエストに出るぞー」
アラムの言葉に驚くシャラミナを除く2名。
「あのあとクエストに二度といかないって言ってた本人が言い出すなんて・・・。どうしたの?熱でもあるの?」
「ねーよ!俺だって行きたくないが生活費がいるんだよ。それに今回は魔物の討伐はしない。採取クエストに行くぞ」
「採取クエストは遠くに行かなきゃ行けなくなるんですが大丈夫なんですか?」
「その辺は問題ない。受付のお姉さんに相談したら丁度いいクエストがあるって教えてくれたんだ。それがこれだ!」
机の上にクエストの紙を出し、それを見つめる3人。
「マンドラゴラ!?あの抜いたら死ぬって言われている植物ですか?!」
「そうだそのマンドラゴラだ。それだったらこの辺に生えてるし誰も取らない。見てみろよこの額!1本5万だぜ?しかも1本見つけたらそこら辺に沢山あるってっ」
「わざわざ死にに行くようなものですよ?!いいですか!マンドラゴラは抜いた者に死の魔法をかけるって有名な話ですよ?普通はそのクエストが出ても誰も受けませんよ!騙されてますよ!」
「まてまて落ち着けって。ちゃんと理由があるんだよ。なっ、シャラミナ?」
「・・・1本、・・・5万ピリア・・・。えへ。えへへっ」
喚くミーラと報酬金に目を輝かせ気持ち悪い笑い方をするエルナとは対照的にシャラミナは落ち着いていた。
「ん?妾か?お主とその受付嬢は妾が元魔王ということで多分マンドラゴラの死の魔法に耐えられると思っているんじゃろ」
「無理なのか?」
すると不敵な笑みで応える。
「無理なわけなかろう!妾にそんな下級な呪いの魔法が通じると思うか?しかもマンドラゴラは油で揚げるとホクホクで美味しいんじゃよ!」
「本当ですかー?魔法使いの私に腕相撲でまけたのに?」
「それは関係ないじゃろ!この怪力娘!」
「まあまあ落ち着けって。じゃあ予想は当たったし行くぞクエスト!」
言い合いになりそうな二人を止め、クエストに向かった。
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「無いなあーマンドラゴラ」
クエストに出て1時間以上経っていた。いつもならそこら辺に生えてるって言われているって言われてるのだが、いざ探そうとすると見つからない。
「まさかマンドラゴラを探す日が来るとは・・・。しかし本当にないですねー。いつもなら嫌ってほど目に付くんですけどね」
「ねぇねぇ!アラムこれ?私これだと思うの!」
「それはスミレだ」
「じゃあこれ!」
「それはタンポポだ」
「じゃあこ」
「それはキノコだ!紫の花って言ってるだろ!どんどん離れてってるじゃねぇか!」
エルナと茶番をしながら黙々と探すが一向に見当たらない。それでも時間は着々と進んでいく。
「誰かとってったんじゃないのか?まさかこんなに見つからないとは・・・」
「あった!あったわよ!」
またか。どうせ違うだろうと思いながらも見てみると。禍々しいオーラを放ちながら凛と咲くて書類と同じ紫色の花がエルナの目の前にあった。更に奥にも転々と咲いていた。
「おぉ!でかしたぞエルナ!よし、おいシャラミナこっちに来てくれ!」
「もっと褒めなさい!報酬金は私多めでいいわよね?発見者だし!」
「いやそれはねぇから。お前じゃ抜けないし。日頃の行いから見ればとんとんだ。まあよく見つけたな。褒めてつかわす」
「なんでそんなに上から目線なのよ!」
「お主らはよく喧嘩するのー。おっ!たくさん生えいるじゃないか。これは夕飯が豪華になるわい」
そう言ってシャラミナがマンドラゴラの茎を掴もうとした途端。
―ボコォ・・・
マンドラゴラが自ら土から出てきた。根っこが体のような形をしており目と口があった。それを見つめる4人と目が合うマンドラゴラ。
「「「「・・・・・・」」」」
「・・・・・」
その瞬間、マンドラゴラが後ろへ振り返り走ろうとした。それを逃がさまいとすぐさま反射的に掴んでしまった。
「おっと危ねぇ!逃がすところだったぜ。やべ、反射的に掴んじまってけどこれ大丈夫か?」
バタバタと暴れるマンドラゴラを掴む片手をできるだけ体から離した。
「死の魔法の効果は瞬間的なので死んでないってことは大丈夫ってことですね。どうやらこちらからぬこうとしない限り発動しないみたいですね」
「こんな自分から出てくるなら大丈夫じゃない!」
エルナがマンドラゴラに手をかけぬこうとした。
「おい、ばか!」
「えっなに?っっうるさっ!!!!!キィーンって!キィーンでなったぁ!!」
耳を抑えて地面に悶えるエルナ。それを笑うシャラミナ。
「お主ばかじゃのぉ」
「おい大丈夫か?ってなんで死んでないんだ?別に死んでなくてガッカリした訳じゃないんだが」
「今とんでもない発言したぁ!私がこんなので死ぬわけないでしょ!鼓膜が破けるかと思ったけどね!みんなこんな音聞いてよく平気ね」
「音なんて出てなかったぞ?」
エルナの説明によればどうやら抜こうとするとこの世とは思えない雑音がするらしい。しかもそれは抜こうとした者しか聞こえないみたいだ。いままで抜いた者は全員即死のためそんな情報がなかった。
「正直どうでもいい情報だけど、一応ギルドに報告しておこう。じゃあシャラどんどん頼む。って言うかなんで勝手に出てきたんだ?」
「知らぬわい。たまたまじゃろ。ん?シャラ?なんで訳した。」
「いやこっちのほうが呼びやすいしダメか?」
「別に構わんが・・・。まあよい。さて他のも全て引き抜くか。」
シャラミナが1本前に出てほかのマンドラゴラに近ずいた途端、見当たる限りのマンドラゴラが全てその姿を表し、
「・・・・・・」
「・・・怖くないよ?」
シャラミナが声をかけた瞬間一斉に逃げ出した
「つっ捕まえろー!!」
すばしっこい小さなマンドラゴラを相手に鬼ごっこをが始まるのであった。
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「はぁはぁ・・・、よし!これで最後だな。疲れたー」
「なんでシャラがちかずくとなんで逃げるんですかね?」
「妾の隠しきれぬ元魔王としての恐ろしさが、マンドラゴラ共に感ずかれたんじゃろ」
「さいですか・・・」
逃げ回るマンドラゴラを出来る限り捕まえ終えた。マンドラゴラは合計15本。シャラミナ曰く美味しいらしいから4本は夕飯に回してあとの11本は報酬金にしよう。本数無制限はとてもありがたい。
「疲れたけど、命の心配なしで55万ピリア。一人約13万ピリアの報酬か。定期的にこのクエストをやれば普通に暮らしてけるじゃないか」
「そうですね。誰も出来ないですし適材適所ですね。でも時々魔物退治もしましょうよ。これじゃあ冒険者じゃなくて商人ですよ」
「そのうちなー。よし帰るかって、げっ」
「げっ、とはなんだ。お前達ここで何している」
街に戻ろうとした瞬間目の前に人が現れ問いかけられた。しかし、見たことのある人だ。王都の騎士、ベラジーナとその後にウリエが立っていた。
「お久しぶりですね。ベラジーナさんとウリエちゃんじゃないか。どうしたんですかこんなところで」
「覚えないって言っておきながら覚えているじゃないか勇者アラム。まあどうでもよいが。貴様らこそここで何をしている。しかもそこにいるのは元魔王だな?どういう関係だ?」
「いやどういう関係だって言われても仲間ですよ。なーかーまー。それにクエストにでてたんですよ。マンドラゴラの採集にね。ベラジーナさんはまだ街にいたんですね。」
「そうか、クエストか。それと、無理に敬語など使わんでよい。元魔王が仲間とはな・・・。まあよい、貴様も聞いているだろ魔王幹部が街に侵入していると。何呑気に採集クエストなんでやっているんだ?」
「えっ?魔王幹部ってベルの事だろ?彼女なら何もしずに帰って行ったぞ?」
「貴様暴食と接触したのか?!しかも、そのまま帰っただと?逃がしたのか?!」
声を荒らげるベラジーナ。
「いや危害は加えないって言ってたので勝てる相手でもないし不味かったか?」
「場合によるがまあよい。だか暴食もいたとはな・・・。まあ帰ったならいいか。ウリエ報告書に追記しておけ。それとアラム、噂の侵入者は暴食ではない」
ベラジーナの衝撃な一言で言葉が出ない。
えっ?ベルじゃねぇのか?じゃあまだ街にいるってことは・・・。
「まだ街に魔王幹部がいる。そいつが問題を起こす前に見つけなければお前に勇者として責任が果たせなかったとして処罰が下るぞ」
「おいおい、まじかよ。そいつってどんなやつなんだ?」
「そんなことまで知らぬのか。まあ?当然だな。まあ詳しいことは街で話そう。ここに来い、貴様が欲しい情報は全て教えてやる。その代わりこちらの質問にも答えて貰うがな」
ベラジーナは住所のかいたメモを私去っていた。
作者の都合上名前を短くされたシャラミナと作者に少し忘れられていたベラジーナとウリエリアであった。




