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創リ世ノ記(ツクリヨノシルシ)  作者: 右藤 秕(ウトウ シイナ)
03 中世
11/25

中世01 ~概要~

―――――――――――――――――――

◆アールヴ歴概要

―――――――――――――――――――


【あなたの子孫に国を与えよう。国は富み栄え、民は地に満ち溢れ、みなが祝福されるであろう】

―― 創世記(ヘシュリエ・アムネ)――


【創世歴42億7755万年】

【人類歴234万年】

【アールヴ暦8万年】


 第4惑星の陸地は主に4つの大陸で構成されていた。赤道付近から北にかけて伸びるヒスローノ大陸。南半球にあり南極まで届くヘトゥオス大陸。赤道にそって西へ横たわるワーテス大陸。そして、赤道から東を望む地域をイーシア大陸が占める。


 この地には、かつての世界を超える多種多様な動植物が満ちていた。アールヴやレアムローンといった人類種。液状亜人(エミルスラ)群虫亜人(グバ)竜亜人(ノグアード)を始めとした亜人種族。大鬼(ガウロ)小鬼(ニールボッグ)狗頭鬼(ドルォボック)等の魔獣(レスノム)。ヘトモーム等の動物(ラミーナ)不死者(ダエ・ヌゥ)、昆虫、植物。挙げればキリがないほどだ。


 8万年前に北大陸(ヒスローノ)から南大陸(ヘトゥオス)へ逃れて来たアールヴは、大陸の東北東、後にレイドークと呼ばれる自然豊かな地域に住み着いた。レイドークにある村を起点に発展を続けた彼らは、やがて、少しずつヘトゥオス大陸の各地に広がり、魔獣などに邪魔されることなく順調にその数を増やしていった。


 また、この時期、もう一方の人類種、レアムローン族も数を増やしつつあったが、アールヴの影に隠れてほとんど目立った動きは無かった。


【アールヴ歴18万年】


 氷河期が始まり、第4惑星は海岸線が大きく後退し陸地の約2/3が雪と氷に閉ざされた。せっかく増え始めたヒト種が激減したのもこの時期だ。されど、ユウナギは特に対策は行わなかった。原因が自然現象によるものであるし、ヒトが絶滅する程の脅威でもないからだ。また、この困難を乗り越えたヒトは、さらに成長するはずであったから。


 ただ、アールヴとレアムローン以外の旧人達はこの脅威を乗り越えることができずに、やがてほとんどが姿を消してしまった。


【アールヴ暦21万年】


 氷河期が終わってより数千年が経過し新石器時代に入った。

 数万年にわたり氷に閉じ込められた鬱憤を晴らすかのように、以前にもまして爆発的な勢いでヒト種が増え始めた。それと歩調を合わせるように、第4惑星は再び緑あふれる豊かさを取り戻した。


【アールヴ暦22万年】


 アールヴ達の文化に、大きな変化が見られるようになった。

 土器が作られ、農耕や牧畜が始まり、定住する者が現れた。ごく原始的な文字の大系が確立されたのもこの頃だ。さらに、22万年代末期には青銅器が作られるようになった。


 これらの変化を裏から支えた者があったことを、伝説は語る。農耕や青銅器作りを教えた賢者がいたという話が、大陸の各地に残っているのだ。それによると、どこからともなく現れた賢者が様々な技術を無償でアールヴに授けたと言われている。伝説になった本人は、後で部下にしこたま嫌味を言われたという。


 また同時期に、アールヴの魔法は次の段階へと進化していた。言霊を組み合わせた複雑な呪文(レプアス)により、威力は飛躍的に上昇し、さまざまな魔法が生まれた。これは、やがて訪れる魔法文明開花のための礎となった。



**********



 話は少し前後するが、氷河時代の末期、とある地域で大魔法使い(アーキギーマ)ロロクルオスが生まれたと言われている。彼女はアディアクルアと呼ばれる小さな国を創った。


 その国はカクリヨの力を借りる事なく、当時の他の地域と比べて驚異的な発展を遂げた。それもほぼロロクルオス1人の力によるもので、彼女が大魔法使いと呼ばれる所以でもある。後の世でオーパーツ扱いされる品々が創りだされたのもこの時だ。


 ただ、彼女の創り出したこの小さな国は、残念ながら程なく歴史からその姿を消してしまった。氷河期の終わりとともに発生した大洪水によって、海中深く没したと伝説には記されている。



**********



 22万年代に見られた変化は加速度的に勢いを増し、その終盤から23万年代初頭にかけて、アールヴ3大文明と呼ばれる文明が南大陸(ヘトゥオス)各地に生まれた。集落が形成され、人口が急激に増え、幾つもの原始的な国が作られた。


 この頃、北大陸(ヒスローノ)にしか生息しなかった魔獣達の南下が目立ち始めたが、もはやアールヴは追われるだけの弱者ではなくなっていた。


 そしていよいよ、アールヴ文明は初めての黄金期を迎える事となる。



―――――――――――――――――――

◆帝国の成立

―――――――――――――――――――


【アールヴ暦23万年】


 地上に新たな人類アールヴが登場し、レイドーク村の出来事が神話になってより23万年。アールヴ達の文明は、旧世界の鉄器時代に相当するレベルにまで達していた。イメージとしては、初期のエジプト文明やシュメール人達によるメソポタミア文明等が近いだろうか。


 彼らは鉄器を操り、巨石建造物を建築し、文化的な生活を送り、ビールやワインに似たアルコール飲料を作った。


 この時代にも「賢者(ゼウルヴ)」が現れ、様々な技術を伝えたとアールヴの伝説に記されている。賢者は言う。「ヒントを与える程度で我慢した。教えすぎるとナナに怒られるから」


 大陸のほぼ中央、大きな川の畔にたどり着いた1つの集団が、小さな国を作ったのは、23万年代の初頭。その国は次々と周辺部族を平定吸収し、巨大化していった。


 その過程はアールヴ初の戦いの時代として最古級の史書に記され、後の世まで語り継がれたという。

 この戦いで彼等は様々な経験を積み、人として、種として成長し歴史を積み重ねていった。

 戦いの果て。長い戦乱を経て、彼らはついに史上初の帝国を築くに至った。


 アールヴ暦23万2892年。この年を、アールヴ帝国初代皇帝ルエシエークは帝国暦1年と定めた。彼等はここで初めて、自分たちの暦を手に入れたのだ。


 皇帝ルエシエークは、かつてレイドークの戦いで魔獣を退けた英雄アル・ユーシアの末裔であると、自ら名乗っていた。それが本当かどうか、当時から疑問視する声はあったが、彼等に確認するすべは無かった。


 事の真偽についてユウナギが確認した結果、嘘では無いが直系でもないという事がわかった。そもそも、この大陸のアールブはほとんどがレイドーク村の子孫であり、どこかで大なり小なり、アルの血を受け継いでいるのだ。ルエシエークは自らの地位の正当性を主張するためにアルの名を利用しただけで、それは国を統べるための常套手段であると言えるだろう。

 ただ、この帝国を築き上げた男が英雄的人物であったのは、間違いない。


 帝国成立前から成立後にかけて、数々の学問や芸術が進歩を遂げた。

 交換経済から貨幣経済への移行が始まり、商売上の実用的な数学が発達した。農地の測量や巨石建築とともに幾何学が生まれ、種まき等の時期を知るために天文学が進歩した。また、各地の神話を集めた創世記(ヘシュリエ・アムネ)をはじめとした伝説や、宗教文書、史書などから文学が発達していった。


 中でも、特に魔法の進歩は目覚ましく、長文かつ複雑な呪文(レプアス)を用いた高度な魔法がいくつも生み出された。魔法の系統も増え、物理系魔法、付与魔法、錬金術、精霊魔術等、多岐にわたった。


 先程も少し触れたが、土着の神々をまとめ上げ、創世記(ヘシュリエ・アムネ)として1つの神話体系が作られたのもこの時期だ。


 神話はやがて宗教と結びついた。

 天地を創造し、アールヴを楽園(ネドエ)へ導いたとされる、創世神ハイ・ラ・ユグナを主神とするユグナ教が生まれた。いつしか宗教は人々の生活に、そして国の有り様に影響を及ぼす程になっていった。



【続く】



20160321 修正

 東の大陸エァトス → イーシア

 西の大陸トスウェウ → ワーテス


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