籠の鳥
――嗚呼。
空が紅く燃えている。
私は独り、空を見る。
私は、籠に囚われた鳥だった。
毎朝、窓の外で鳥が自由に飛んでいるのをただ見詰めていた。
空が好きなのかと彼は聞くけど私は答えない。
何を言ったとしても彼には通じないだろう。
私は彼の人形だ。
閉ざされた部屋から逃げる術は無い。
両足の鎖が赦さない。
きっと、近いうちに私の心は壊れるだろう。
その前に、
私は私を解放しようと決めたのだ。
――床に倒れた洋灯から延びた炎が部屋を飲み込む。
割れた窓から外へと舞い散るそれは、さながら炎を纏った鳥の様だった。