プロローグ
憂鬱だ・・・
誰に向かって言うわけでもなく、ただの独り言だ・・・。
僕の名前は結城葵。
高校生で、一人暮らし。
親とは高校合格の時から離れて暮らし、健気に一人暮らしをしている。
だからバイトとかで家賃を払わないといけない。
ただ・・・・・・・・・・・
今日、そのバイトを首になってしまった・・・。
理由は簡単、不況だからですよ・・・。
終わった・・・もう、家賃払えない・・・家を追い出される・・・
そう思ってふらふらと小雨が降る夜の住宅街をさまよっていたら・・・・・・
ドン!
「キャッ!」
何かにぶつかる音と、女性の小さな悲鳴が聞こえた。
「え・・・?」
ふとあたりを見回すと・・・
僕の前で尻餅をついている、メイド・・・メイド・・・???
そう、そこにいたのは間違いなく、メイドさんだった。
あの秋葉原とかでよく見かける、正真正銘のメイドさんだった。
(まさかこんなところでこんな人と出くわすとは・・・)
と、思っていたが、恐らく僕とぶつかったと思われるので一応助ける。
「大丈夫ですか?」
「あ、はい。大丈夫です。」
柔らかい声で清楚に話しかけてきて、僕は少しドキッとしてしまった。
「すみません・・・。前をよく見てなかったものでして・・・」
「あぁ、いえ!僕もふらふらしててよく見てなくて・・・」
そこでメイドさんと目が合う。
はっきり言おう。
運命を感じた。
そのメイドさんも、僕と同じような感情を抱いただろう。
気づくと二人とも頬が少し紅潮していた。
「「はっ!」」
二人とも我に返ってしまった。
「ご、ごめんなさい!!」
「いえ!こちらこそ!ついジーっと見つめてしまって・・・」
はっっっっず!!
何だこの羞恥プレイは!!
二人しかその場に居合わせてなかったからよかったけど、誰か見てたら恥ずかしくて死ぬかもね。
「ハックション!!」
くしゃみをしたのは僕の方だった。
小雨で少し服が濡れていて寒かったんだよね・・・。
「だ、大丈夫ですか!?」
「あぁ、大丈夫で・・・ハックショーン!!」
「大変です!! 私の家でしばらく休んでいってください!!」
「あ、で、でも!!!」
メイドさんに手を握られて、少し小走りで、どこかの家の方へ向かう・・・。
僕、大丈夫なのかな・・・?
皆様初めまして。
雛姫路有利と申します。
新参者ですが、どうぞ見ていってください。
初めての投稿でございますが、何卒温かい目で見てください。
よろしくお願いします。