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09. 大興奮した猿とシロ

「森に入って何日目かしら」

「えと、6日目ですね」

「そんなに。方向あってるのかしら。マル、今どの辺?」

「どうだろうな。方向はあっているはずだ。だがまだ半分といっていないだろう」

「そう」

「ここまで来るのにもだいぶかかりましたけど、この後どのくらいで城に着きそうなんですか?」

「わからん。1年以上かかるかもしれん」

「えー。なんて無計画」

「だからこその調査だ。地図はダグが書いてくれている」

「あー、たまに木に登ってましたね。そういえば今どこに?」

「あら、いないわね。どこ行ったのかしら」

「さっき何か見つけたとかで猿みたいに木の上を渡って行きましたよ」

「そうか。よし、一旦ここで待とう。ダグにしては珍しいな」

「そうね、よほど大事なものを見つけたのかも」

「ついに魔王城ですか」

「いや、さすがにまだたどり着かんだろう」

「ちっ、めんどくせーな。さっさと魔王のとこに行けりゃいいのによ」


「戻ってきたよ」

「ああ、みんなすまん。向こうに建物が見えたんだ」

「だからってそんな勝手なことしなでよ」

「すまん。だが中継地点としてはいい場所だし、シロには一声かけたんだが聞いてなかったか?」

「シロちゃん」

「お話中でしたので」

「シロはめんどくさかったんだと」

「そんなわけないですよ、ちょっと歩くのに精一杯でして」

「つまり歩くのが億劫でめんどくさかったんです」

「まぁ、せめて簡単でも良いから教えてもらえると助かるな」

「善処します」

「で、どうだったんだ」

「ざっと見た感じ広い講堂のような造りだった」

「そうか。よし行ってみよう」


「ここか」

「ここなら一休みできそうだけど、それはモンスターにとっても」

「ああ。よし、この建物の調査を行う。全員戦闘態勢。気を抜くなよ」

「ダグさん、ここはなんのための建物なんですかね」

「さあな。この広さ、部屋の仕切りも今のところ無い。集会場のような場所だったのかもな」

「そうなると、昔の人はこの周辺に住んでたんですかね」

「かもな」

「セツカちゃん、あまり喋らないで」

「あ、はい、すみません」

「構わんぞ」

「あれ、いいんですか?ん?いまのは」

「全員止まれ。誰だ」


「我こそはスフィンクスである」

「おお、デカい、そしてなんか複雑な体してるわね」

「うむ。色々混ざっておる。すごいだろう」

「すごいというか、まぁすごいか」

「なんでこの形状で成り立ってるのだろうか。大きなライオンという感じだけど、ベースはなんだろうか」

「ふふふ、面白いわねクロ。ああ、解剖したい」

「おい!とっととやっちまおうぜ」

「あい待て。そこなる者」

「あん?オレか。なんだよ」

「我が問いに答えてみせよ」

「やだ」

「愚かなり」

「なんだと!」

「知恵ある者ならば答えてみせよ」

「おーし、やってやろうじゃねぇか」

「おいおい、勇者くんチョロすぎでしょ」

「待て」

「む、何奴」

「俺はマルマル。この隊を預かる者だ」

「ほう。指揮官か。して何用か」

「俺が答える」

「あいわかった」

「スフィンクスさんはなんで古風な喋り方するんだろ」

「そもそもモンスターはこんな流暢にしゃべれるものなんですね。城周辺のものとは違う。ますます興味が」

「古風にして斬新。それが我なり」

「わけわからないこと言ってますね、良い研究材料になりますね!ほしい。すごくほしいです」

「シロ、スフィンクスに、大興奮」

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