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あの、わたし事務なんですけど  作者: Tongariboy
1−4.ギルド、そしてモンスターパレード

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55/126

55. 王様と事務員と半魔

「というわけで王様に会いに行くことになりました」

「そう」

「ねえセツ、わたしも行かないといけないの?」

「そう言ってたよ」

「そういうイベントはセツだけでいいのに」

「残念でしたー」

「むー。王様に会うのってなんでだろ?」

「さあ?メイさんはなんでかわかります?」

「そうねぇ。どうせあの人のことだから見たかったと言うだけな気がするわ」

「えー」

「やっぱりセツだけでいいんじゃないかな」

「そうねぇ」

「メイさん?」

「うーん」

「珍しく悩んでるね」

「ね」

「とりあえず最低限の礼儀作法を復習してから行きましょう」

「はーい」


「来ましたね」

「あの、えっと、アイズさんでしたよね」

「ええそうですよ。よろしくお嬢さん方」

「よろしくお願いします」

「それとメイ。君も来たのか」

「ええ。まさか追い返さないでしょうね」

「まさかだよ。じゃあ行きましょうか」


「ブン王、お連れしました」

「うむ」

「お初にお目にかかります。わたくしショウ第2王子の元、査定員として従事しております、セツカと申します」

「同じくニーナと申します」

「うむ」

「こんにちはブン王。それにゴウ王子。ご無沙汰しております」

「う、うむ」

「久しいな、メイライ。息災か」

「ええ」

「それはよかった。まぁ君の噂はそこの彼女達と一緒に耳に入っていたよ」

「優秀な生徒を持てた幸運に感謝しております。ですがまだ未熟。この子達が私の手を離れるのはしばらく先かと思いながら日々楽しくやっております」

「ははは、だそうですよ。父上」

「ふん。ショウ、お前が仕組んだな」

「さぁ。なんのことでしょう」

「まあいい。大臣」

「はい。セツカ殿、ニーナ殿。報告書を読みました。数々の功績は一級の戦士にも比類するほどです」

「うむ。国への貢献、誠大義である」

「恐れ入ります」


「さて、まずはセツカよ。査定員として数多くの戦士と出会い様々な場所を巡ったと聞く。この国をどう思う」

「はい。騎士、元騎士の皆様は常に王国のためを想い行動されておりました。彼らがいればこの国が武力で勝利することは確実かと思います」

「ふむ。戦士はどうだ」

「彼らは未熟な者も少なくありません。ですがショウ第2王子が進めていっらしゃいます戦士育成事業が功を成すことは確実かと存じます」


「そうか。ニーナよ。お前はどうだ」

「わたしは」

「いや。待て」

「は、はい」

「ふむ。そう身構えるな。この場のおいてはそうかしこまらなんでもいい」

「そのような無礼を働くわけには」

「ワシが良いと言っておるのだぞ」

「はい。申し訳ございません」

「ふむ」

「ブン王。この子達をあまりいじめないであげてください。このような場はまだ不慣れなのです」

「少し興味を持ってな。以前から一度話してみたいと思っておったのだ。だから気を楽にしてよい。ショウにはいつもタメ口だろ?」

「父上、そのようなことはございません」

「なーに言っとる。トラドやベスボからちゃんと聞いとるぞ。曰く、今日はショウと呼べと言っておったこともあるとか」

「そのようなこと、ございませんよ父上」

「おうおうパパに嘘つくようになったか。ちっさい頃なんて、セツカよ、知っておるか?こいつちっさい頃はキラキラした目でワシらを見ておったのにいつからこんなに荒んでしまったか」

「父上。私はあなたに憧れておりますから。今も昔も」

「よーゆーわ。陰でなんて言っているかくらい知っとるっての」

「ごほん、な、なんのことでしょうか。そのようなこと言っておりませんとも、なあ大臣」

「どうでしたかのぉ」

「お、おまえ!」

「ニーナよ、こいつがワシのこと何と言っていたか知っとるか?」

「頑固ジジイとおっしゃっておいででした」

「ニーナまで、おまえらぁ」

「わはは!ショウ、小遣い減らしちゃうぞ。なんてな、わははははは」

「あんたのその言葉は洒落にならんのだぞ、予算減らされたら、くっ」

「ははは、もっとワシに従順になると良いのだ」

「ふん、いいさ。父上、残念でしたな。私にはトラドという強力なビジネスパートナーがおりますので」

「まぁったく、あいつといいお前といい、どうしてこうワシに反発するのか。だがまぁその方が面白いがな」


「ブン王。そろそろ呼びつけた理由を教えていただきませんこと?」

「なぁに、さっき言った通り会ってみたかったのだ」

「じゃあもう用は済みましたでしょう。2人とも、帰りますよ」

「おいおい、メイよ。まだ良いであろう」

「まったくあなたは。魂胆は分かっています。この子達を自分の元におきたいんでしょ」

「そうだ。いいじゃないか。トラドやお前達ばかり面白そうな人材確保して。ワシだってそういうフレッシュな感じのがいい。見ろよ、この賢しい連中。つまらん」

「そうですか。私などではお役に立てませんでしたか。では私もトラドの元に行こうかな」

「待て待て、アイズにまで行かれたら困るだろう」

「待遇を良くして欲しいものです」

「お?そうかそうか。だったら面白そうな案件が来たら優先して回してやろう」

「いえ結構です。王の趣向は荒っぽいものが多いですから」

「ブン王。もう十分でしょ。私達は帰りますよ」

「もうちょっといてくれてもいいだろう。それとも何か、このメンツを集めてお忍びでその子達の事務所にでも出向けばいいか?」

「そんなことしたら騒ぎになるでしょ」

「じゃあもう少し話していこうか」

「ああ、さっさと氷漬けにしたいわ」

「メイ、さすがにやめろよ?」


「ところで、セツカよ。先ほどから何も言わんな。聞いている性格とは随分違っておるようだが、どうかしたのか?」

「いえ、何も」

「ふふふ、父上。父上の圧が強すぎるようですな。彼女らも疲弊しております。もう帰してやってはいかがでしょうか」

「ほー。よほどこの子らが大事と見える」

「まったくにございますなぁ。俺の大事な人に手を出すな!と執務室で叫んでおいででしたからな」

「おい三つ編み、その辺にしておけよ」

「おお、そこまで想っておるのか。身分の差はあるがお前の気持ちは尊重してやるぞ」

「違いますよ!」

「なんだ大切じゃあないのか。じゃあワシが預かろう。アイズも助手がほしいと言っておったな」

「ええ、そうですね。いい加減私だけだと辛いんですよ。この人の相手は」

「よし、王命である2人とも今後は」

「父上、お待ちください」


「なんだ」

「この国が抱える防衛力の低さ。その打開策として戦士達の待遇をよくするよう事業を進めておりますが彼女達はその事業に必要不可欠」

「もう下地は出来たんだ。他の者でもよかろう」

「いえ。彼女達は多くの戦士達と面識があり且つ信頼も得ています。変わりなどそうそうできません。では今後の進展についてお話ししましょう」

「ここでか」

「ええ。今はトラドが運営している戦士組合には当然事務員も必要となります。組合の受付嬢として彼女らには働いてもらう約束をすでにトラドと交わしています」

「え?ショウ王子、わたし初耳ですけど」

「そうだったか?だめか?」

「ダメかと聞かれると、うーん」

「ニーナ、お前はどうだ?」

「わたしは、わたしは」

「うーん、受付嬢になれば色々出向くことはなくなるのよね。アンさんとも距離が、みんなに会えるし。そうですね。勝手に決められてたのは一言ぶつけたいとこですけど、わたしは大丈夫です」

「そうか、よしよし。ということだから残念でしたな父上。トラドを敵に回すのは得策ではありませんよ」

「つまらん策を練りおって。だがニーナの方はどうだ」

「わたしは、今のままがいい、です。でもセツはいなくなっちゃうのよね、だけどここを離れたらメイ先生には会えないし」

「そうだな。おい三つ編み大臣」

「はい。皆様少々お待ち下さい」

「ショウ、何を用意したのだ」

「それを今からお見せします」


「どうぞこちらへ」

「なんだフードなど被りおって。随分怪しいやつだな。おい三つ編み、そいつは何者だ」

「はい。その前に皆様頼みがございます。絶対にそのまま何もしないでほしいのです。たとえ何を見ようとも」

「ふむ、よかろう。皆動くなよ」

「では。お願いします」

「はい」

「なんと!フードの下は猿の顔ではないか!」

「ブン王、この方はモンスターではありません」

「ローさん!」

「やあセツカくん、それにニーナくん。久しぶりだね」

「ローさん、わたし、わたしこんな事になるなんて思わなくて」

「そうだね。イタズラはほどほどしないと、時には大変なことになってしまう」

「ごめんださい」

「もう済んだことだ。幸い生きることには問題はないから安心してほしい。情緒も安定している。まぁ前以前よりも一層モンスターっぽくなってしまったけどね」

「わたし、ずっと後悔してて、ローさんが戻らなかったらどうしようって、ずっと」

「大丈夫ですよ、よしよし。ニーナくん、泣かなくていいんだよ」

「だって」

「安心しなさい、この身体はとても丈夫でね、以前出来なかったこと多くのことが出来るようになったのです。ニーナくんも随分成長したと聞きます。よく頑張っているとね」

「はい、自分に出来ることをしないとって。そうしていないとどうにかなりそうで」

「そうだったのですね。でもこれからは罪の意識ではなく、純粋に皆のため、なによりあなたのために考え行動してください」

「はい」


「おおお、よかったなぁ!ワシももらい泣きしてしまった、ぐすっ。それでショウ、なぜこのタイミングで呼んだのだ」

「はい。ローはこの通り人ではない姿です。この街にはいられません。なのでトラドに預けあいつも元で働いてもらうことになっています。万一何かがあってもいいように」

「ふむ。それで?」

「ニーナ」

「はい」

「メイと会う機会は減るが皆あの村にいる。今一度考えてみてほしい。決して無理強いはしない」

「わかりました」

「ああ。父上、以上です」

「ふぅ、わかった。2人のことは諦めよう。まったく、つまらんなぁ」

「ブン王、騎士だって優秀な人材は集まってきております。きっと面白い人材もいずれ入りますよ」

「アイズよ、そうは言ってもどうぜまたトラドやショウに取られるんだぞ?」

「そうならないように私やカーバンを始め皆も努力しますよ」

「ふむ。期待しておるぞ。では今日のところはここまでにしておくか。皆ご苦労であった。下がるがよい」

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