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あの、わたし事務なんですけど  作者: Tongariboy
1−3.セツカさんの日常

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35. 王国最恐

「あの2人はどうだ?」

「先程こっそり見てきたら案外素直に授業を受けているようですな。メイ殿と気が合うようです」

「そうか。案外素直にって、お前」

「あの2人ですから。メイ殿も苦労していることでしょう」

「だろうな。だが彼女なら問題はないだろ。色んな奴らを見てきている」

「竹刀で熱血指導」

「あれは見た目とは裏腹なところがいいと言うやつもいるとか」

「私は苦手です」

「あとは、怒らせなければ大丈夫だが」

「そうですな」

「あの氷の魔法」

「時間も凍ると言われる恐怖」

「うっ、思い出したら身震いしてきた」

「私もです。あの2人のことだからきっと早々に体験していることでしょうな」

「ふん、いい薬だ。はっはっは」

「ホッホッホ」


「先生!」

「はい、セツちゃん」

「ここの意味がわかりません!」

「うむ!一度分解してどこがわからないのかまず理解しなさい!」

「りょ!」

「先生!」

「なんでしょうかニーナちゃん」

「王族への礼儀作法に問題があるという問題がなぜ問題になるのか理解がおよびません!」

「よかろう!その曲がった根性叩き直してやる!」

「その竹刀で、でありますか!」

「理屈でだ!」

「りょ!」

「よーし!中々見どころがあるじゃないか。遠慮なくビシバシいくぞぉ!きっと2人ともいい騎士になれるわよー!」

「あざますー!」


「あいつら何やってるんだ。あのメガネはいったい」

「ノリノリですなぁ」

「あれか、もう氷付けにされた後か」

「そうでしたらいささか残念ですな」

「あの2人が凍るところを見たいと」

「ホッホッホ、どうでしょうなぁ」

「ふっ、お主も悪よのぉ」

「ふふふ」

「くくく」

「王子、何をやっているんですか?」

「うわぁ、いつの間に。メ、メイ、これはその」

「彼女達に用がありましてな」

「そうだ、そうなんだ」

「ふーん」

「中に入ってもよろしいかな」

「まぁ、どうぞ」

「どうも。なんか冷たい視線だな」

「今日も氷結が効いてますな」


「あ、王子だ」

「大臣もいるわね、何しに来たんだろ」

「で?」

「お、おう。実はその、えー」

「まさか何もないのに邪魔しに来たんですか?」

「ま、待て!凍る、足元凍ってるから!」

「おおー、アンさんと違ってメイさんは氷魔法が得意なのか」

「いいなぁ、メイさん憧れちゃうなぁ」

「だ、大臣説明を!」

「ほっ、ここ最近モンスターたちがよからぬ動きを見せておりー」

「ああ、その話か、そうなんだメイ、今モンスターが危険なんだ」

「王子少し黙っていただけると。氷付けになりますぞ」

「おう」

「モンスターらが何かを作っているところを多くの者が目撃しておりましてな。その調査に戦士を派遣するのですが複数おりましてな、セツカ殿とニーナ殿に別々で査定で同行していただこうという次第なのです、ほっほっほ」

「なるほど。それを知らせに来たわけか。兵士でもなんでも使えばいいのに国の中枢を担う2人がわざわざ」

「メイ殿、氷が髭を襲っておりますぞ!」

「2人は暇なのかしら」

「まさかそんなわけ」

「そう。で、兵士はどこ。あなた達はなんで2人してここに来てるのかな」

「ひぃぃぃぃぃぃ」

「だ、だいじーん!あああ、待て、お、俺は2人が心配で様子を」

「つまり私が信用できないと」

「ち、ちがう、ちがいます、まてまてぇ、俺にはまだやる、こと、が」

「さーて、これはそのうち溶けるから放っておいて続きを始めましょう」

「はーい」

「メイさんかっこいいなぁ」


「王子、生きておいででしたか」

「当たり前だ、ここで死ぬわけにはいかんからな」

「私はどうにも眠気が」

「耐えろ、ここで寝たら本当に死ぬぞ」

「ほっほっほ」

「メイは、いないか」

「外で授業を続けておりますな」

「ふぇっくしょん!あー、帰ろう」

「そうですなぁ、もうここには来たくありませんな」

「同感だ」


「じゃあ時間ができたらまた来なさい」

「はーい」

「メイ先生ありがとうございましたー」

「またねー」

「そういえば王子達は何しに来たんだろ」

「さあ?査定がどうとか言ってたけど。あ、いつの間にかいなくなってる」

「あのまま氷付けになっててもいいのに。わたしも氷の魔法使ってみようかなー」

「ニーナちゃんが使ったらきっと大変なことになりそう。それなら私はアンさんみたいに風の魔法使えるようになってみようかな」

「そういえば魔法って興味なかったから学んでないけど使えるようになるのかしら」

「どうなんだろ。今度大臣に聞いてみよっかな」

「そうね。じゃあおつかれー」

「おつかれー」


「セツカ殿、ニーナ殿、ごきげんよ、ぶえぇっくしょん!」

「大臣さん大丈夫ですか」

「いや何、少々風邪気味でしてな」

「ぅー、お前らに頼みたいことがある」

「王子、口調がラフになってますよ。わたしたちの事言えないんじゃないですか」

「誰のせいだ」

「さて、あなた方には先日お伝えした通り戦士のモンスター調査にど、どうこ、っくしょん!同行していただきたく」

「はいはーい。いつも通りにやればいいんですよね?」

「ああそうだ。大臣ちょっと休んでろ」

「あい」

「だが今回はお前達にも少し協力して取り組んでもらいたい」

「調査にですか?」

「今回は重要なミッションになる。選抜されたのは優秀な戦士だ。だが人手があった方がいい。幸いお前達は要領はいいからな」

「段々事務とは関係なくなってきたわね」

「仕方があるまい。ローが不在の今、お前達の業務量は低下しているだろう」

「まだ良くならないんですか、ローさん」

「なんとも言えん」

「そうですか」

「わたしのせいで」

「とにかく、今回は2人とも行ってもらう」

「わかりました」

「ではよろしくな」




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